無知は、生きづらさを作る。 「そんなことは、あり得ない」 そう大人は言うけれど、果たして本当にあり得ないかどうかなんて 世界の誰もが全く知らないことだ。 「そんな人は、どこにもいない」 そう大人は言うけれど、果たして本当にどこにもいないかどうかなんて 発言した人は全く知らないことだ。 本当は、ここにいるのに。 僕はそうやって、息を止める人生を過ごしてきた。 誰かの真似をするように、そっと息を潜めて、上手に浮かんでいる人々を眺めていた。 抱えきれないほどの砂が入った袋。 それは正しかったことなのか、今でも分からない。 だけど、それは当時の僕に出来る最大級の生きる術だったのだ。 今の僕は、あの頃の僕になんて声をかけるだろう。 無知は、生きづらさを作る。 世界が狭かった小学生の頃。 何も知らなかった中高生の頃。 こんなにも大きな世界で、たった1人ぼっちだと思っていた。 僕の声なんて、誰にも届かな