新型コロナウイルス(COVID-19)が世界中で猛威を奮っている。渡航制限や外出禁止など、移動を制限され、多くの人たちが限られた物資で「家」という閉鎖環境に閉じこもる状況は「宇宙生活」に似ている点があると言えないだろうか。ならば、宇宙滞在や南極越冬隊などの経験からこのストレスフルな状況を乗り切るヒントが得られるかも・・そう思って相談したのが、DSPACEではおなじみ極地建築家の村上祐資さんだ。 村上さんは米国ユタ州やカナダ北極圏の模擬火星基地(MDRS、FMARS)にのべ160日、第50次南極越冬隊員として15か月間南極に滞在など、極地での生活経験1000日を超える閉鎖隔離環境のスペシャリストである。言わば「閉じこもりのプロ」と言っていい。 そんな村上さんに新型コロナウイルスをめぐる現状をどう見ているか尋ねた。「まず、火星模擬実験や南極越冬隊などの閉鎖環境と、新型コロナウイルスの対策の一つ