2007年のノーベル平和賞は、アル・ゴア前米副大統領とIPCC(気候変動に関する政府間パネル)が受賞した。地球の温暖化が及ぼす人類への深刻な影響を懸念し、その対策に取り組んだことが評価された。 このうちIPCCは、国連環境計画(UNEP)と世界気象機関(WMO)が1988年に設立。世界各国の科学者や政府関係者が参加して、気候変動の原因や影響について最新の知見を集約し、発表している。 2001年には第3次報告書を公表。「地球の平均気温は20世紀に約0.6度高くなった。今後、2100年までの間にさらに1.4~5.8度高くなり、海面は0.1~0.9メートル上昇する恐れがある」と警告した。 海面上昇のカギを握るのは、デンマークの自治領であるグリーンランドの氷床だ。「同地で気温が5.5度高い状態が1000年続くと、地球全体の海面は約3メートル上昇。また、気温が3度以上高い状態が数千年続くと、グ