番号制度に関する野村総研の考え方を前面に押し出した内容には賛否が分かれると思いますが、偏見無しに読めば、ID(アイデンティティ)の基本的な考え方や世界の潮流を学べる良書と思います。特に、身分証明書制度について、きちんと指摘されることは少ないので、その部分だけでも読む価値があるでしょう。 全体の構成は、 第1章 「共通番号制度」の概要と、その問題点 第2章 「共通番号制度」の解決策を論ずる前に知っておきたいこと 第3章 「共通番号制度」の解決策を論ずる前に知っておきたいこと 第4章 日本のID社会はこうあるべき(「共通番号制度」の解決策) 本ブログでは、誤解がありそうな点について、少し補足説明しておきたいと思います。 まず、「消えた年金問題」と「共通番号制度」は無関係である、という指摘は半分あっているけど、全部がそうではありません。 現在のように、住民票コード(原則として国民全員に付与され