2010年ごろから言われはじめた「アイドル戦国時代」。その中心はグループアイドルで、ソロアイドルは決して多くなかった。さくら学院を卒業した武藤彩未はあえていばらの道を選び、13年4月からソロで活動を開始する。 作詞に森雪之丞や作曲に本間昭光といった豪華な作家陣を起用したオリジナル曲は、武藤が愛した80年代アイドル楽曲のテイストが取り入れられていた。武藤は確かな歌唱力と表現力、キラキラした笑顔で、まわりの期待に応えてみせた。 しかし15年12月にソロ活動を停止して海外留学に出る。武藤が味わったアイドルの恍惚と葛藤とは――。 ◆◆◆ ――さくら学院卒業後、ソロデビューにあたって1年以上の準備期間を設けていました。 武藤 その間、80年代の曲を題材に練習したり、立ち振る舞いを完璧にしたくて日本舞踊を改めて習いました。ダンスの先生に「手先まで意識して踊ることが大事」と言われて、日本舞踊で磨くことが
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