複数のナイロン糸を創内に挿入し,毛細管現象でドレナージを図る方法を当サイトでは「ナイロン糸ドレナージ」として紹介してきた。これは主に動物咬傷では威力を発揮する治療法だが,動物咬傷以外にも応用が効く簡単な方法である。 【原法】 「3~5本の3-0ナイロン糸(縫合糸)を創内に入れ,抜けないように絆創膏固定する」という方法。今から10年ほど前に開発。ちなみに,ナイロン糸は未滅菌のものでいいし(創内は既に膿,つまり細菌で一杯なのだから,滅菌物を入れるのはそもそもナンセンス),釣り用のテグスでも代用可能。釣り用テグスでは3号くらいの太さのものがいいようだ。 【変法】 原法では「糸がチクチクしてちょっと痛い」という訴えがあり,それに対してきよすクリニックの伊藤先生が「ループ状にして入れれば痛くない」というシンプルな解決法を2008年に考案。これで「チクチク」はなくなった。 写真のように3-0ナイロン糸