私が初めて手にした,一般向け小型国語辞典は『旺文社国語辞典』だった.この辞書に関する思い出を書こうと,ふと思い立ったため,さっそく実行に移すことにした. 出会い 再会 現在,そして 出会い 私が『旺文社国語辞典』をはじめて手にしたのは,小学四年生か五年生の春のことだったと記憶している.そのころは,中学受験に向けて,学習塾に通っていた.その国語の初回授業で,一般向け国語辞典の購入が求められたのである.なぜ児童・学生向けではなく,一般向けのものが必要かについて,何らかの説明があったはずだが,忘れてしまった.ただ,少なくとも,一般向けを買ったことが,奏功したのは確かである. 特に希望がなければと,推奨されたのは『旺文社国語辞典』だった.授業が終わり,さっそく近くの中~大型書店に立ち寄り,買ってもらった.当時の最新版は第九版だった.現在のように小型版はなかったので,A5 版のものを買った.箱は白色