国家公務員の定年を六十歳から六十五歳に段階的に引き上げる国家公務員法改正案が十六日、衆院本会議で審議入りした。検察官の定年を六十三歳から六十五歳にする検察庁法改正案も同時に審議される。政府は法改正を待たずに一月に閣議決定した黒川弘務東京高検検事長の定年延長に関し、野党の撤回要求を拒否した。与党は今国会成立を目指す。 (清水俊介) 菅義偉(すがよしひで)官房長官は、現行国家公務員法の定年延長の規定が検察官にも適用できるとの法解釈に関し「法務省で適切に行った」とし、黒川氏の定年延長を「撤回する必要はない」と述べた。 共産党の塩川鉄也氏は「国家公務員法の定年制度は検察官に適用されないと一貫して示してきた政府見解を投げ捨てるものだ」と批判。「違法な法解釈の変更につじつまを合わせるため、検察庁法を改正しようとしている」と述べ、黒川氏の定年延長、検察庁法改正案の撤回を求めた。