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ブックマーク / morningrain.hatenablog.com (6)

  • 上林陽治『非正規公務員のリアル』 - 西東京日記 IN はてな

    ある制度が良いのか悪いのかというのはなかなか難しく、簡単には判断を下せないケースが多いのです。例えば、選挙制度は小選挙区制がいいのか比例代表制がいいのか、日型の雇用制度が良いのか悪いのか、といったことは一概には判断を下せないと思っています。 そんな中でも、個人的に明確に「悪い制度だ」と考えているのが、外国人の技能実習制度と、書のテーマである非正規公務員の問題を含む地方公務員の人事をめぐる制度で、特に後者は新卒に重い価値を日の就職市場のあり方や、男女の格差の問題の解決にもつながっていく非常に重要な問題だと思っています。 書は、そんな非正規公務員の問題を扱ったであり、2012年に出版された同じ著者による『非正規公務員』の問題意識を受け継ぐです(未読ですが2015年に『非正規公務員の現在』というが出版されている)。 非正規公務員の低待遇と不安定な身分を告発するとともに、この問題を改

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    hanemimi
    hanemimi 2021/04/11
  • アン・ケース/アンガス・ディートン『絶望死のアメリカ』 - 西東京日記 IN はてな

    『大脱出』の著者でもあり、2015年にノーベル経済学賞を受賞したアンガス・ディートンとそので医療経済学を専攻するアン・ケースが、アメリカの大卒未満の中年白人男性を襲う「絶望死」の現状を告発し、その問題の原因を探った。 この絶望しに関しては、アビジット・V・バナジー& エステル・デュフロ『絶望を希望に変える経済学』でもとり上げられていますし、大卒未満の中年白人男性の苦境に関しては、例えば、ジャスティン・ゲスト『新たなマイノリティの誕生』でもとり上げられています。学歴によるアメリカ社会の分断に関しては、ピーター・テミン『なぜ中間層は没落したのか』も警鐘を鳴らしています。 そうした中で、書の特徴は、絶望死についてより詳細に分析しつつ、対処すべき問題としてアメリカの医療制度の問題を指摘している点です。 例えば、ピーター・テミンはアメリカ社会の分断に対する処方箋として、公教育の充実、大量投獄か

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    hanemimi 2021/04/04
  • コロナと読書 - 西東京日記 IN はてな

    タイトルからするとコロナ禍の中での読書生活の記録みたいに思えますが、そうではなくて、1学期も終わって少し落ち着いたところで、新型コロナウイルス問題を考える上で参考になったをいくつかあげておこうというエントリーです。 とは言っても、医学的な問題には疎いですし、ウイルスや感染症についてのを読み込んでいるわけもないです。正直、新型コロナウイルスがどうなるかどうかはわからないですし、「コロナ後」の世界についても何か見通しを持っているわけでもありません(ニュースになり始めた段階では2009年の新型インフルエンザのことを思い出して、「これはどこかで2週間位の休校があるか?」と思っていた程度でしたが、2週間じゃすみませんでしたね)。 ここで紹介するのは新型コロナウイルスが引き起こしたさまざまな問題の文脈を考えるためのが中心になります。新型コロナウイルスに関する知識は今まさに生まれつつあるところです

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    hanemimi 2020/08/14
  • 2010年代、社会科学の10冊 - 西東京日記 IN はてな

    2010年代になって自分の読書傾向は、完全に哲学・思想、心理、社会、歴史といった人文科学から政治、経済などの社会科学に移りました。その中でいろいろな面白いに出会うことができたわけですが、基的に社会科学の、特に専門書はあまり知られていないと思います。 人文科学のは紀伊國屋じんぶん大賞など、いろいろと注目される機会はあるのに対して、社会科学のはそういったものがないのを残念に思っていました。もちろん、いいは専門家の間で評価されているわけですが、サントリー学芸賞などのいくつかの賞を除けば、そういった評価が一般の人に知られる機会はあまりないのではないかと思います。 そこで社会科学のの面白さを広めようとして書き始めたこのエントリーですが、最初にいくつか言い訳をします。 まず、「社会科学の」と大きく出たものの、法学や経営学のはほぼ読んでいませんし、以下にあげたを見てもわかるように社会

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    hanemimi 2020/02/12
  •  鈴木亘『経済学者 日本の最貧困地域に挑む』 - 西東京日記 IN はてな

    社会保障を専門とする経済学者の鈴木亘が、橋下市長のもとで大阪市の特別顧問となり、日最大の日雇い市場がを抱えホームレス生活保護受給者が集中する「あいりん地域」の改革にチャレンジした「戦い」の記録。 タイトルからすると、鈴木亘はあいりん地域を改革するアイディアを練っただけかとも思えますが、を読んでみると、彼が実際に西成特区構想の推進役として悪戦苦闘した姿が描かれています。 ですから、このは「経済」のというよりも「政治」のと言うべきかもしれません。問題の分析には経済学の道具が使われていますが、縦割り組織との対決や住民の意思をいかにまとめ上げコンセンサスを得ていくかといった部分はまさに「政治」の部分です。 というわけで、「経済」に興味のある人にも「政治」に興味がある人にも十分に楽しめる内容になっていると思います。さらに「社会運動」とか「街づくり」に興味がある人にもお薦めできるです。

     鈴木亘『経済学者 日本の最貧困地域に挑む』 - 西東京日記 IN はてな
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    hanemimi 2016/12/18
  •  K・ポメランツ『大分岐』 - 西東京日記 IN はてな

    「なぜ、西欧文明が世界を制覇したのか?」、これは歴史を学んだ者お多くが持つ疑問でしょう。 当然、多くの学者もこの疑問を考え続けており、御存知の通り、マックス・ヴェーバーはプロテスタンティズムという宗教にその要因の一つを見ましたし、D・C・ノースは『経済史の構造と変化』でその要因の一つを西欧における知的財産権の確立に見出しました。 ただし、プロテスタンティズムの精神にしろ、知的財産権にしろ、それが経済発展にもたらす影響を正確に見積もるのは非常に難しいものです。ですから、それこそルネサンスや、古代ギリシアやローマまでさかのぼって西欧世界の先進性を示そうとする議論もあります。 しかし、18世紀初頭の清の乾隆帝の時代の頃までは中国が世界一の経済大国であり、経済力においても軍事力においても西欧諸国が簡単に手を出せるような存在ではありませんでした。つまり、西欧諸国が中国を決定的に凌駕したのは18世紀半

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