仮の話だが、10年前のターミナル駅に“時間旅行”で戻れたとする。2013年を生きる私たちは「何かが足りない」に違和感を覚えるだろう。そこでは、駅構内の広告は紙媒体のみ。自動販売機も缶やパックを陳列するもののみ。電子的な広告や販売機は、まだ現れていなかった。 ところが、いまや駅や電車には「デジタルサイネージ」があふれている。デジタルサイネージとは、電子ディスプレイやオンラインシステムなどの情報通信技術を使った宣伝媒体のことだ。紙のポスターを手作業で貼り替えるのと違い、瞬時に広告を切り変えられる。もちろん動画の表示も可能だ。 企業のサービスがマス重視から個重視へと移る中、デジタルサイネージでもその流れは加速している。その加速を象徴する技術に「顔認識技術」と呼ばれる情報技術がある。デジタルサイネージと顔認識技術の組み合わせにより、広告や販売機の前に立つ人の性別や年齢を推定したサービス提供が増えて
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