10 月末に衆議院総選挙が行われた。選挙期間中、投票率の低下の問題が指摘される一方で、投票を呼び掛ける運動が盛んに行われた。だが、そもそも投票に行くことにはどのような意味があるのだろうか。投票に行くことは政治にどのような影響があるのか。また、ただ投票に行けばよいのだろうか。今回の選挙を振り返りつつ、投票することの意味について問い直したい。(取材・川田真弘) 「投票に行こう」という呼び掛けの意味 今回の総選挙では期間中に「VOICE PROJECT投票はあなたの声」というYouTube チャンネル上で芸能人らが「投票に行こう」と呼び掛けるなど、有権者の投票を促進する運動が盛んに行われた。SNS上では「# わたしも投票します」というハッシュタグの使用が多く見られた。 しかし、政治思想史を専門とする山本圭准教授(立命館大学)は、政策やイデオロギーの中身に触れることなく「とにかく投票に行こう」とい