明石弁護士。「実質賃金は惨憺たる結果になっている、だから公表したくないのか」と厚労省を追及した。=30日、衆院16控室 撮影:田中龍作= これでも安倍政権はシラを切ろうというのだろうか。麻生財務大臣から事実上の指示を受けて賃上げ偽装に手を染めさせられていた厚労省が、2018年の実質賃金の伸び率はマイナスであることを、きょう30日、事実上認めた。 総務省に続くもので、政府の事務方たちがアベノミクスの肝である賃金上昇はなかったとの認識を示したことになる。 きょう午前、野党5党が国会内で開いた政府(厚労省、総務省など)からのヒアリングには、アベノミクスのウソを暴いた『アベノミクスによろしく』の著者である明石順平弁護士が招かれた。 明石弁護士は、問題となっている2018年の「実質賃金の伸び率」を一覧表とグラフにして政府の官僚たちに示した。計算式はこうだ― 「名目賃金指数」を「消費者物価指数」で割り
昨年末に発覚した「毎月勤労統計」の不正調査問題は、雇用保険などの過少支給が延べ2千万人を超す事態に発展した。政府が2019年度予算案の異例の閣議決定し直しに追い込まれるなど、影響も広がる。15年も放置されてきた不正の経緯にはまだ分からない点が多いが、厚生労働省の組織的な関与や隠蔽(いんぺい)の疑いが徐々に濃くなりつつある。24日の閉会中審査で焦点となりそうだ。 問題の発端は、厚労省が2004年1月から調査手法を勝手に変えたことだ。 この統計は賃金の動向などを毎月調べて発表するもので、政府の「基幹統計」の一つ。実務は都道府県が担っている。従業員500人以上の事業所はすべて調べるルールで、調査手法を変更するには総務相の承認が必要だ。ところが東京都分の約1400事業所のうち、無断で約3分の1を抽出して調べ始めた。 全数調査の対象の大規模な事業所は全国に5千以上あり、その約3割が東京に集中する。厚
つい最近,総務省統計局が「消費動向指数」なる新しい統計を発表した。 今回はそれにツッコミを入れようと思うが,本題に入る前に,「カサアゲノミクス現象」について説明しておく。 簡単に言うと,平成28年12月に,日本のGDPが22年もさかのぼって改定されたのだが,アベノミクス以降が異常にかさ上げされているという現象である。 特に,家計最終消費支出のかさ上げが凄まじい。 日本のGDPの約6割を占めるのが民間最終消費支出。つまり,民間消費の総合計。 そして,民間最終消費支出の約98%を占めるのが家計最終消費支出。 家計最終消費支出が伸びなければ,日本のGDPは伸びない。 で,改定前の名目家計最終消費支出の推移はこんな感じだった。 単位は兆円。なお,この記事では全部暦年データを使う。 http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/fil
厚生労働省の「毎月勤労統計」の不正調査問題で、不正なデータを補正するために必要な基礎資料のうち、2004~11年分が紛失や廃棄されていたことが判明した。同省が17日の総務省統計委員会で明らかにした。統計委員会の西村清彦委員長は統計として成立しない可能性に言及。厚労省は引き続き資料を探す方針だが、政府の基幹統計に穴が開く異例の事態に発展する可能性が出てきた。【大久保昂、神足俊輔】 厚労省や総務省によると、欠損しているのは(1)07年1月分の事業所からの回答書(2)10年に事業所の業種分類方法を変更した際の基礎資料(3)10年以前の雇用保険データ――など。(2)と(3)はデータを実態に近づける補正作業に必要だという。(2)の一部は既に廃棄されたとしている。
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