不気味な話である。自民党議員の照会を受け、文部科学省が前川喜平・前事務次官が講演した名古屋市の公立中学の授業について、内容を繰り返し調査した一件のことだ。思い返せば第2次安倍晋三政権発足以降、教育を巡るこの種の「騒動」は後を絶たない。なぜ政治家は教育に介入したがるのか? 【吉井理記】 この問題、各方面から批判されたが、保守論壇の重鎮もお怒りであった。首相官邸キャップとして産経新聞の政治報道の中枢を担ったジャーナリスト、山際澄夫さんである。 ツイッターで「前川喜平・前文科次官の講演に対する文科省の執拗(しつよう)な問い合わせ。つくづく下品な国家になったものだと思う」(3月18日)とつぶやいていたのだ。