アベノミクスは「終わってしまった近代」の幻影を追ったドン・キホーテだった~水野和夫・法政大教授に聞く(前編) 「成長があらゆる問題を解決する」が当てはまるのは資本家だけ 原真人 朝日新聞 編集委員 なぜアベノミクスという、あれほど危険でギャンブルじみた社会実験が多くの人の支持をうけて登場したのだろうか。 今回の「アベノミクスとは何だったのか」シリーズでは、水野和夫・法政大教授に、長い歴史軸のなかにアベノミクスがどう位置づけられるのかを解説していただく。水野氏は「資本主義の終焉」を早くから看破してきた。深い歴史眼をもった経済学者である。今回も千年レベルの歴史のなかで、今起きている経済現象の意味を読み解いていただこう。 〈みずの・かずお〉1953年、愛知県生まれ。法政大法学部教授(現代日本経済論)。早稲田大政治経済学部卒、埼玉大大学院経済科学研究科博士課程修了。三菱UFJモルガン・スタンレー証