「夫の会社経営には全く関与していない」。妻は逮捕された夫の太陽光ビジネスについてこう説明していた。だが、利益はシンガポールの会社に。彼女が49%の株を持ち、3月には役員にも就任した会社である――。 金融立国・シンガポールのランドマークとして知られる高級ホテル「マリーナベイ・サンズ」。マリーナ湾を隔てた対岸には、41階建ての「ミレニアタワー」が聳(そび)え立つ。米国のシティバンクをはじめ世界的企業が入居し、三菱商事も現地法人を置く多国籍オフィスビルだ。この20階に入居する日系企業の経営者が逮捕されたのは、3月7日のことだった――。 この日、東京地検特捜部が投資会社「トライベイキャピタル」社長の三浦清志容疑者(43)を逮捕した。兵庫の太陽光発電事業の出資金から4億2000万円を私的に使った業務上横領の疑いだ。そして今、特捜検事や司法記者が注目するのは、妻で国際政治学者の三浦瑠麗氏(42)である