参議院選挙や野党共闘に関し、街でよく言われるのは次のご意見です。 安倍政権を倒すために野党はひとつになるべきだ。立憲民主党は、国民民主党と一緒になった方がよい。 この意見の背景には、次の2つの暗黙の前提があると思います。 1)二大政党制が望ましい。 2)野党協力(野党共闘)のためには、バラバラの野党をひとつの政党にまとまるべき。 以上の2つの前提に基づくと自然と次の結論に到達します。 立憲民主党も国民民主党も元は同じ民主党だから一緒になり、二大政党の一角を占めるべき。 しかし、他の先進民主主義国(主に欧米諸国)を見渡すと「二大政党制が望ましい」という前提は自明ではありません。二大政党は小選挙区制の国で見られる傾向がありますが、いまや純粋な二大政党は米国ほか一部の国で観察されるだけで、多数派ではありません。 英国では保守党と労働党以外に有力な政党が出てきて二大政党制の色合いが薄れています。欧