東京電力福島第1原発事故後、原発の安全性への懸念が高まり、停止中の原発が起動した例はない。国は、運転停止を要請した中部電力浜岡原発を除き運転に支障はないとの見解を示したが、現状では地元の理解を得るのは難しい。 運転中の原発が規定通りに定期検査に入っていき、起動する原発がない場合、7月末には54基の商業原発のうち7割程度が停止する見通しだ。 国が浜岡原発以外は問題ないと発表した6日、関西電力の原発などが集中する福井県の西川一誠知事は、定期検査中の原発について「現時点では再起動を認められない」と発表。国の対応に疑問を示した。 北海道の担当者は、調整運転が続く泊3号機について「営業運転への移行は形式的なことだが、道民には不安が高まっている。地震後の安全対策の内容や、『浜岡原発と違い泊原発はなぜ安全と言えるか』の根拠について、国や電力会社の説明を受けたい」と言う。