芽吹きの山の美しさを 心に目に留めよう。 淡い広葉樹の緑と 暗緑色の針葉樹。 それらが混ざり合った 健康的な山の姿だ。 明るい午後の光を受けた木々の枝に 清々しい声で鳴く鳥達がいる。 「ああ 今日はなんていい日なんだ」 と あの鳴き声は言っている。 鳥だって 雨や嵐の日より 穏やかな 暖かい日が好きなのだ。 夜に ラジオの音を消すと 暗い闇を トラツグミの悲しげな声が響く。 「何がそんなに悲しいの?」と 私は一度尋ねてみたいと思う。 山桜の花びらが 風に乗って飛んでくる。 車の上に 土に 草に 薄いピンクの花びらが降り立った。