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ブックマーク / readingmonkey.blog.fc2.com (22)

  • 無料で手に入る実力→近代デジタルライブラリーから迎えた100の辞書たちを紹介します

    翻訳家の世界では「辞書は金で買える実力」という。 今回は無料かつ合法的に手に入る実力=辞書の話を。 国立国会図書館が所蔵する明治・大正・昭和前期の資料を公開している近代デジタルライブラリー(http://kindai.ndl.go.jp)には、当然ながら、この時期に出版された多くの辞典・事典が含まれる。 半世紀以上も前につくられた辞書なんて使い物にならない、と最初から切って捨てる人もいるかもしれない。 しかし大部の辞典・事典を出版するという企画は、そもそも簡単に実行できることではない。実行したとしても完成にこぎつけるには長い時間がかかる(広辞苑程度の1冊ものの辞書ですら10年近くかかるのだ)。長い年月と膨大なマンパワーを投じれば、当然値段も高くなる。買い手は限られる。その辞書が前人未到のものであればあるだけ、それを過去のものにする辞書はなかなか(ほとんどの場合ずっと)現れないのだ。 つまり

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  • 書く力を本当に倍増する、容易くはない5つのトレーニング

    書くことはどのようにして学ぶことが、いや鍛えることができるのか? 書くことによって、というのが唯一正しい答えである。 書くのが苦手な人は書くことをできるかぎり回避する。そうして苦手意識をつのらせる。さらに書くことを回避する。この悪循環を断ち切るには、嫌でも書くしかない。 対して、書くことを楽しむ人は、放っておいても何か書く。書き続ける。 アメリカのミステリー作家ローレンス・ブロックは、Writing Digest誌の連載コラムで、最悪の長編小説を3つ書き上げた男の症例を紹介している。 最初の1篇は、ブロックが最大限の親切心を動員しても一句たりとも良いところがない、それどころか直すことさえ不可能なくらいひどかった。なのに男は次のを書き始めた。 完成した2つめも最悪といっていい出来だったが、1作目を知る数少ない人たちには大きな改善が感じられた。男はまた次のを書き始め、書き終えた。 これまた

    書く力を本当に倍増する、容易くはない5つのトレーニング
  • 借りれる英語力ー英会話をアクティベートするフレーズストックの定番書8+1冊 読書猿Classic: between / beyond readers

    英文で論文を書く場合は、例文を借用せよ、と以前書いた。 卒論に今から使える論文表現例文集(日語版) 読書猿Classic: between / beyond readers 論文の内容はオリジナルであるべきだが、論文を論文足らしめる部分=構成や構成を形作る定型パターンは使い回しが効くし、また使いまわすべきだ。オリジナルなのは内容だけでたくさんで、形式は従来のものを踏襲した方がいい。その方が早く正確に読めるから。 書き言葉は、リアルタイムの呼出しを要しないから(どれだけ時間をかけてもいい)例文の借用はやりやすい。 リアルタイムで言葉を投げ合うことが必要な会話では、少し状況は異なる。言葉のラリーの最中に、その都度、例文集を検索していては、スムーズなやり取りは望めない。 しかし、フレーズのストックはそれでも役に立つ。 というのも、会話の内容はオリジナルでも、会話の枠組みのかなりの部分が定型フレ

    借りれる英語力ー英会話をアクティベートするフレーズストックの定番書8+1冊 読書猿Classic: between / beyond readers
  • アメリカの小学生が文の構造を見える化し英語文法を血肉化するのに使っている図の描き方

    今日まで使われるこのダイアグラムは、1877年に出版されたAlonzo Reed と Brainerd Kellogg 1877. Higher Lessons in English(→Gutenbergで読める)に登場するものだが、1847年には早くもW. S. ClarkがA Practical Grammarの中でバルーン・メソッドと呼んだ類似の方法が提案されている。 特徴としては、 ・我々が親しんできた伝統文法を活用でき、 ・文の内容において、主なもの/従うものの階層付けがはっきりしており、 ・文ごとに個性的で印象の強いダイアグラムが生成される 利用法としては、出来上がったダイアグラムを見てどうこうするというより、ダイアグラムをつくるプロセス(シンプルなところから始めて要素を追加していくところ)にトレーニングとしての主眼はある。 以上から、今でも米の教育現場ではしぶとい人気がある。

    アメリカの小学生が文の構造を見える化し英語文法を血肉化するのに使っている図の描き方
  • 文章は接続詞で決まる→(保存版)接続詞の常識チートシートにまとめてみた

    文や語句を一定の意味関係・論理関係のもとに結びつけて、論旨や文脈を展開していくうえで、接続詞の役割は重要である。 単なる文の羅列でも意味は通じるかもしれない。 しかし、その場合には、受け手に論理構成を委ねており、受け手の側が正確に論理構成ができない場合には誤解が生じる。 対して、接続詞を適切に用いれば、読み手に論旨の展開を予告することができ、論理構成を誘導し、誤解が生じるリスクを下げることができる。 今回は 「文は短く」は俗説か?ー〈短文信仰〉を屠り、短文のレトリックと長文のロジックを取り戻すために 読書猿Classic: between / beyond readers や他の記事で紹介した『よくわかる文章表現の技術(全5巻)』シリーズの著者、石黒 圭 氏が接続詞だけを集中的に扱った、その名も を参考に、日語における多彩な接続詞について、できるだけコンパクトにまとめて、文章を書く助けと

    文章は接続詞で決まる→(保存版)接続詞の常識チートシートにまとめてみた
  • 言葉と思考の解像度を上げる→つぶやきをフォーマルな英文に仕上げる4つの技術

    論文など、フォーマルな文章を構成する言葉たちは、最初からフォーマルな形で生まれてくるのではない。 磨き上げられてフォーマルな文になるのである。 今回は、その磨き上げられる様子を、英語のアカデミック・ライティングの例文を素材に、少し細かく観察してみる。 後で見ていくように、フォーマルな英文を生み出すには、インフォーマルな言葉を単に置き換えていくだけでは難しい。 表現を磨き上げることは、言葉の解像度とともに、主張・思想の精緻度をも高めていくことである。 最初はぼんやり曖昧だった主張が、どのように特定化され厳密化されていくか。また、その精緻化のプロセスと前回見たような単語・フレーズ単位の置き換えとが、どのように統合されるかに、注意して見ていきたい。 また磨き上げのプロセスを逆にたどることで、フォーマルな文章を、ずっと飲み込みやすい表現に読み砕くことにも活用にすることができるだろう。 【例文】 (

    言葉と思考の解像度を上げる→つぶやきをフォーマルな英文に仕上げる4つの技術
  • 無料で自宅でやりなおす→小学校の算数・数学 | 学校・教育算数から大学数学までweb上教材をリストにした 読書猿Classic: between / beyond readers

    先日の記事 誰もがどこかでつまずいた→小学校の算数から大学数学まで126の難所を16種類に分類した 読書猿Classic: between / beyond readers を読んだ人から「やりなおし魂に火をつけるだけつけて放置するのは無責任だ、何をやればいいのか教えろ」という問い合わせがあった。 小学校の算数レベルから微積分など高校+αまで、ついている予備テストをやれば、どの章は飛ばしていいか、どこの章のどの問題を勉強すればよいかを教えてくれる往年の名著(が復刻してた) を紹介しようと思ったが(科学を志さない人にも勧められる)、買い損なった場合と人のために、web上の教材をリストにして、先の記事の補いとする。 (2017.9.6 リンク切れ等、訂正しました) 小学校〜高校 小学校の算数 中学校の数学 高校数学 大学数学基礎 小学校〜高校 小学校「算数科」,中学校・高等学校「数学科」の内容

    無料で自宅でやりなおす→小学校の算数・数学 | 学校・教育算数から大学数学までweb上教材をリストにした 読書猿Classic: between / beyond readers
  • 誰もがどこかでつまずいた→小学校の算数から大学数学まで126の難所を16種類に分類した

    数学嫌いはどこから生まれてくるのか? よく聞かれる「役に立たないから」なる理由は、実のところ良くて後付け悪くて言い訳であって、その実態は、算数や数学につまずいて分からなくなった人たちが、イソップ寓話のキツネよろしく「あのブドウ(数学)は酸っぱい(役に立たない)」と言い広めているのである。 ならば撃つべきは〈算数・数学のつまずき〉である。 以下に示すのは、小学校の算数から大学基礎レベルの数学まで、「つまずいて分からなくなる」箇所を集めて16のカテゴリーに分類したものである。 一度もつまずかず専門レベルまで一気に駆け上がることのできた一握りの天才を除けば、数学が得意な人も不得意な人もみなどこかでつまずいたであろう、さまざまな算数・数学の難所が挙げられている。 この分類が示そうとしていることのひとつは、同じ〈根っこ〉をもったつまずきが、小・中・高・大の各レベルで繰り返し出現することである。 たと

    誰もがどこかでつまずいた→小学校の算数から大学数学まで126の難所を16種類に分類した
  • 語学と精読を思考訓練に高める鈴木式6分割ノートがハンパない

    先日書いた 図書館となら、できること番外編/マイナー言語のBookishな学び方 読書猿Classic: between / beyond readers で、ポストする際になって省略した、少年が語学学習に使ってるノートのことを人に話していたら、「むしろそれを書け」と言われたので、簡単に記す。 出典は ・鈴木 暁(1999)「中級フランス語の効果的学習教授法 - 理想的なノートの作り方」『Les Lettres francaises』 19, 67-75. である。下に示す図もこの論文から借用してある。 鈴木氏はフランス文学の研究者だが、この方式はフランス語以外に、もちろん語学学習にも、他にも精読(intensive reading)が必要なあらゆる分野で使える。 「図書館となら、できること」に登場する少年は、数学の問題演習にもこの方式のノートを使っている(訳文のパートに解答を書く)。 原

    語学と精読を思考訓練に高める鈴木式6分割ノートがハンパない
  • 驚くほど違う→あなたの文章を最適化するたった4つのルール

    文のレベルで、日語を明確化する工夫について取り上げた著作には、多勝一(1982)『日語の作文技術 (朝日文庫)』(朝日文庫)があるが、酒井聡樹(2007)『これからレポート・卒論を書く若者のために』(共立出版)が、さらなる改良に取り組んでいる。 この記事は、両著作についての私的メモの域を出ない。 なお『これからレポート・卒論を書く若者のために』は、井上真琴『図書館に訊け!』(ちくま新書)とともに、大学新入生のマストアイテム。入学する前に読んでおくと、まるでちがった4年間を過ごせるだろう。 以下では、まず日語の文がわかりにくくなる4大原因を示し、次に4大原因のそれぞれに対応した4つの最適化ルールを提示する。最後に、それぞれのルールについて適用例を挙げて、ルールの活用法を説明する。 文が分かりにくくなる4大原因 1.一つの文に多くの情報が詰め込まれている 2.情報を与える順番がおかしい

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    happycolors
    happycolors 2012/01/27
    [文章]
  • 卒論に今から使える論文表現例文集(日本語版)

    英語で論文を書かなくてはならない研究者(たまごを含む)のために、英語論文の表現例文集がたくさん出版されている。 というのも、論文には、その構成にも言い回しにも〈定形〉がある。 自分の頭で一からひねり出すよりも、おきまりのパターンを活用した方がはやく良い結果を得られる。 普段、論文を書いていない、というか今まで書いたことがない人は、論文の書き方についてストックがないのだから、例文集から「借文」した方が効率的である。 当は論文を書くのに先立って、他人の書いた論文をある程度読めば、そうしたパターンは自然に頭に入ってくるものである。 しかし「あるべき論」だけでは地球は回っていかない。誰もが夏休みの宿題を7月中に終わらせる訳ではないのだ。 以下、「借文」できるよう、論文に使われる表現・例文を集めてみた。 あまりボリュームがあっても使いにくいだろうから、数は絞りに絞ってある。 より多くの表現が必要な

    卒論に今から使える論文表現例文集(日本語版)
  • 1年の計はこれでいく→記憶の定着度を4倍にする〈記憶工程表〉の作り方

    いろいろな記憶の方法(方略)があるけれど、記憶ニーズから考えると普通の人に求められているのは、feat of memory見世物や記憶のスプリント競技に必要な、円周率を何桁も覚えるような少種類大容量タイプの記憶術ではない。 むしろ必要なのは、多種類の事項について長期にメンテナンスできるような記憶方略である。 繰り返し、間隔を次第に広げながら(例えば1日後、3日後、7日後……という具合に)復習していくスペースド・リハーサルについては、次の記事で書いた。 復習のタイミングを変えるだけで記憶の定着度は4倍になる 読書猿Classic: between / beyond readers スペースド・リハーサルは単純な暗唱ものから文章理解から技能習得に至るまで有効だが、最大の欠点は〈面倒くさい〉ことである。 最初のうちはいいが、学習をはじめて何十日か経つと、復習すべき項目が〈1日前覚えた項目〉〈3日

    1年の計はこれでいく→記憶の定着度を4倍にする〈記憶工程表〉の作り方
  • 速読ギネス記録保持者が教える4分で試せる読書を加速する技術

    中身は、今でいうところのライフハックを70個ほど集めたもので(原書 The Experts' Guide to 100 Things Everyone Should Know How to Doではタイトルのとおり100個集めてあるが、日向けじゃないものが訳されていない)、驚くべきことが書いてある訳ではないが、ウリになっているのは、それぞれのテーマを〈当代一流〉と編者が目した人物に執筆を依頼し書いてもらったところである。 たとえば ・不動産王ドナルド・トランプに、負けない交渉のコツを ・『7つの習慣』のスティーブン・R・コヴィーに、時間の使い方を ・ カリスマ・ファイナンシャルプランナーに、お金の貯め方・増やし方を ・世界最大の出会い系サイト管理者に、デートのこぎつけ方を ・合衆国憲法修正第一条を専門とする弁護士に、人前で話をするコツを ・がん専門医に、最悪のニュースの伝え方を ・(アメ

    速読ギネス記録保持者が教える4分で試せる読書を加速する技術
  • 整理整頓コンサルタントが教えるスペースを生み出すSPACE整理術

    SPACE整理術は誰でも手順通りに行えば、文字通りスペースを生み出す手続きである。 個々のステップはどれも、誰もがやったことのあることばかりだろう。 重要なことは、と考案者のジュリー・モーゲンスターン(整理整頓コンサルティング会社「ジュリー・モーゲンスターンズ・タスク・マスターズ」創業者オーナー)は言うのだが、それぞれの段階を順を追って、それぞれ最後までやり遂げることである。 まずは部屋を一つ選んで、試しにやってみるといい。 Sort(分類する) まずは同じようなものをまとめてグループ分けすることから始める。 このステップでは分けることだけに注力する。 たとえば「ああもう、こんなもの!」とまとめて捨てたくなる欲求がどうしても沸き起こってくるが、ここでは我慢する。 それぞれのグループごとに、どれだけ貯めこんできたかが分かれば、捨てるものと残すものの判断は、ずっと簡単に、そして後悔の少ないもの

    整理整頓コンサルタントが教えるスペースを生み出すSPACE整理術
  • ためしてガッテンでも紹介された10秒で心のスイッチを入れる技術

    自分にコトバをかけることで自分の行動をコントロールしたりパフォーマンスを高めたりする方法は、メンタル・トレーニングを受けたスポーツ選手をはじめとして広く用いられている。 言語的自己教示(verbal self-instruction)と総称される技法だが、今回紹介するのは、アタマの中や口で唱えたりするかわりに、自己教示のコトバを書き付けるものである。 書く方法は、それ以外のやり方に対して、次のようなメリットがある。 ・心の中で唱えるよりも、雑念に邪魔されにくい ・声を出して唱えるのと違って周囲の邪魔にならない ・思考と違って跡が残るので、コミットメントに結びつきやすい(口約束より書き約束を重んじる我々の習慣にかなっている) 一方、デメリットとしては次のようなものがある。 ・筆記用具などが必要 →レース前のアスリートには向かないが、机に向かっていたり、メモするものを持っている場合は問題になら

    ためしてガッテンでも紹介された10秒で心のスイッチを入れる技術
  • (保存版)覚え方大全/自分で選ぶための53種の記憶法カタログ

    「繰り返し書く」という覚え方を使うことと学業成績の間には、ほとんど関係がない。 これは「繰り返し書く」ことが役に立たないというよりも、成績の良い者もそうでないものも誰もが使うユニバーサルな方法だからだ。 日の高校生を対象に英単語の覚え方を調べた研究*1によると、「繰り返し書く」やり方については、ほとんどの者が使っていた。そして、それ以外の方法を使う者はわずかだった。 *1 Okada, J. (2006). Vocabulary Learning Strategies for Japanese High School EFL Students. 〈それ以外のやり方〉、例えば精緻化ストラテジー(語呂合わせやイメージ法が含まれる)や体制化ストラテジー(まとめなおす、接頭語・接尾語で単語を覚えるなどが含まれる)、さらに言うとメタ認知的ストラテジー(学習方法を工夫したり、学習計画を立てる)までも

    (保存版)覚え方大全/自分で選ぶための53種の記憶法カタログ
  • これがマスターへの道→しつこく繰り返す技術、7つのステップ

    うろ覚えでなく、半可通でなく、物事をマスターするには徹底して繰り返すことだ。 繰り返しが、素早く正確に処理する力を培う。 だが、そんなことは誰だって分かっている。 繰り返しは飽きる。やる気が出ない。一度やったことはやりたくない。新しいことに手を出したい。 これは知的好奇心と同じ源泉から出てくる心の叫びだから、むげに扱うわけにもいかない。っていうか、やりすごそうとしても、それこそしつこく再来してくる。 ここでは、「必要だと分かっているが、繰り返すモチベーションが上がらない」という問題について問題解決してみる。 ありがちな「問題を解く」ことを例にするが、応用は容易だろう。 0.まずは問題を解いてみる ここで重要なことは時間を測ることだ。 何分以内にやらなきゃならない、と考えるのは不要だ。 ただタイムを計るだけなのに、モチベーションはいくらか底上げされる。 そして後には、自分についてのデータが残

    これがマスターへの道→しつこく繰り返す技術、7つのステップ
  • 計算ミスと計算時間を40%減らす掛け算のやり方 読書猿Classic: between / beyond readers

    特別な場合に計算が簡単になる方法はいくつもあるが、たくさん覚えても出番が限られているから実用性は低い。 二桁の九九を覚えるのは確かに有効だが、準備に時間と労力がかかるので、敬遠されがちである。 結局、適用範囲の広さと習得の容易さのトレードオフから「普通の方法」が浮上してくる。 筆算は、紙を外部記憶として活用することで、計算中の作動記憶の消費を抑え、計算プロセスに割くことのできる認知資源を確保する。 計算が速く確実になるばかりか、計算プロセスの「みえる化」はミスの発見や、計算のさらなる改善へ向けた気づきにもつながる。 実際のところ、計算の遅い人は、しばしば手を止めて、頭に汗をかいて無理をして計算している。 当は、頭で無理をするかわりに、そこで手を動かすべきなのだ。 その方が労は少なくて計算速度は上がる。なによりも無理をすることによる計算ミスが激減する。 人々を筆算においてつまずかせるものは

    計算ミスと計算時間を40%減らす掛け算のやり方 読書猿Classic: between / beyond readers
  • 10秒で覚えられて計算がバツグンに速くなる方法 読書猿Classic: between / beyond readers

    ■補数って? 10、100,1000……から、ある数を引いた残りの数のことを(基数の)補数というが、今回の主役は、 それよりも1少ない、いわゆる減基数の補数(注)である。 10進数だと、ぶっちゃけ足して(各桁が)9になる数(の組)だ。 具体例を出すと「9-1=8」だから、8は1の補数である。いうまでもないが、1は8の補数である。 ■まずは「おつり算」 日常生活で最も多い計算は「おつりを計算すること」だろう。 これは補数を使った計算の第一歩にちょうどいい。 速算に 10000-3452=? を計算することは、3452の基数の補数をもとめることだけれど、 まず減基数の補数を求めちゃえばいい。そしてこれは次の方法で反射的にできる。 減基数の補数は基数の補数よりも1だけ少ないということを心に留めておくと、 次の表を覚えておく(というより反射的に出るようにしておく)だけで、 「繰り下がり」なんかに希

    10秒で覚えられて計算がバツグンに速くなる方法 読書猿Classic: between / beyond readers
  • 復習のタイミングを変えるだけで記憶の定着度は4倍になる

    1,3,7……で復習する 一度に覚えるのと、分けて覚えるのでは、分けて覚えるほうが効果が高く、しかも長く続く。 これは、単純な暗唱ものから文章理解から技能習得に至るまで、あらゆるジャンルとコンテンツとシチュエーションで確認されている。 そして同じく学習を分散するにしても、その間隔を次第に広げる方が効果があることが知られている。 ・Glenberg AM & Lehmann TS. (1980). Spacing repetitions over 1 week. Memory & Cognition. 1980, Vol. 8 (6), 528-538. ・Glover JA & Corkill AJ.(1987). Influence of paraphrased repetitions on the spacing effect. Journal of Educational Psych

    復習のタイミングを変えるだけで記憶の定着度は4倍になる