埼玉県出身の小野洋平です。埼玉に生まれ育った者として、僕はこれまで「ぎょうざの満洲」「鴻巣の川幅うどん」「娘娘のスタカレー」など、数々の埼玉グルメを紹介してきました。 今回、取材してきたのは「野菜すし」。文字通り、魚ではなく野菜をネタにした寿司です。 「海なし県」「水を知らない民」などと揶揄されがちな埼玉県人の反骨精神と創意工夫が生んだ野菜すし。その美しさと美味しさに迫ってみました。 苦境に立たされた埼玉の寿司屋。「野菜すし」で起死回生を 2018年に取材した「花寿司」の大将・稲生氏さんから興味深い話を聞いた。その時の記事はこちら。 いま埼玉県では「野菜すし」が人気だからさ、取材してみなよ。 ――ん? 野菜すし……ですか? 数年前から埼玉県の鮨組合(県鮨商生活衛生同業組合)で取り組んでいる、野菜を使ったお寿司だよ。 ――そんなものがあるんですか! そうそう。とりあえず、野菜すしを考案した鮨