10月17 萱野稔人『ナショナリズムは悪なのか』(NHK出版新書) 6点 カテゴリ:思想・心理6点 『ナショナリズムは悪なのか』というタイトルから想像されるとおり、ナショナリズムへの安易な批判を批判した本。 「格差問題を批判する人が同じ口でナショナリズムを批判するのはどうなのか?」という問いからこの本は始まります。 日本でもグローバル化とともに下位層の貧困化が進みつつあり多くの知識人がそれを問題にしてます。しかし、国内での格差の拡大は、同時にグローバルな世界における格差の縮小であり(中国人やインド人はどんどん豊かになっている)、本当にナショナリズムが乗り越えられるべきものならグローバルな格差縮小を喜ぶべきではないのか?国内の格差が問題だと思っていながら、ナショナリズムを簡単に否定するのは矛盾だろうというのが著者の問題提起です。 ここまでは非常に面白い。 この日本の左翼が「ナショナル」なもの