大津雄一『「平家物語」の再誕』を読んだ。 『平家物語』の再誕 創られた国民叙事詩 (NHKブックス) 作者:大津 雄一 発売日: 2013/07/26 メディア: 単行本(ソフトカバー) 内容は紹介文の通り 「奉公の誠」を語る日本精神の粋、もののふの文学、歴史の進歩と発展を語る、新興階級武士の文学…。『平家物語』に幾重にもまとわりつく古びた「読み」。そうした読みの形成過程を剥ぎ取り、『平家物語』が時代とともにどう歩んできたのかを明らかにする。近代日本の隠されたもう一つの道筋を辿る労作。 というもの。 平家物語にある先入観(バイアス)が剥ぎ取られていくのは、実に読んでて楽しい。 以下、特に面白かったところだけ。 王権の回復、という物語のフレーム この物語の政治的関心は、天皇王権の絶対性の保持にある。 (210頁) 『平家物語』において、武士が戦いに参加した理由として挙げられるのは、主人への恩
毛利嘉孝『バンクシー アート・テロリスト』を読んだ。 バンクシー~アート・テロリスト~ (光文社新書) 作者:毛利 嘉孝 発売日: 2019/12/27 メディア: Kindle版 内容は紹介文の通り、 正体不明の匿名アーティスト、全体像に迫る入門書の決定版 というもの。 およその全体像が本当にわかるので、最初に読むには実にオススメ。 以下、特におもろしかったところだけ。 皮肉たっぷりのスタント あいかわらず、皮肉たっぷりのスタントだった (144頁) 2018年、バンクシーが、英ロイヤル・アカデミーの「サマーエキシビション」に、あるポスターを展示する。 それは、「vote Leave」(離脱に投票)というポスターの「ea」をバンクシーのトレードマークの赤い風船を使って「o」にして、「Vote to love」に描き替えたものだった。 じつは当初、バンクシーはペンネームを使って一般公募枠で
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