月脚達彦『福沢諭吉の朝鮮』を再読。 福沢諭吉の朝鮮 日朝清関係のなかの「脱亜」 (講談社選書メチエ) 作者:月脚達彦 発売日: 2015/10/23 メディア: Kindle版 内容は紹介文の通り、 福沢諭吉は朝鮮侵略論者か、独立の支援者か――。「絶えざる転向」により多くの解釈を生むことになった福沢のアジア論。本書では、福沢と朝鮮で開化派と呼ばれた人々との関係と、『時事新報』の社説・論説を軸に、日朝清関係史のなかでそれを読み解いていく。そこに見えてきたのは、福沢のアジア論に貫徹する思想であり、「リベラルな帝国主義者」という19世紀的な立場が挫折してゆく過程であった。 というもの。 福沢諭吉の対外(アジア)観を考えるうえで、読まれるべき本である。(ただし、本稿では福沢についてはあまり取り上げないことにする。) 以下、特に面白かったところだけ。 元田永孚の東アジア平和構想 元田のような儒教主義