大森洋平『考証要集』を読んだ。 考証要集 秘伝! NHK時代考証資料 (文春文庫) 作者:大森 洋平 発売日: 2013/12/04 メディア: 文庫 内容は紹介文の通り、 NHKのドラマ、ドキュメンタリー番組で時代考証を担当する大森洋平氏(NHK職員)が書きためた「考証メモ」の集大成。番組での誤用例やエピソードをひきながら、間違いだらけの歴史の常識を丹念に覆してゆく。あいうえお順に約500項目が並ぶ。NHKの制作現場へ向けて作られた資料だが、著者のサービス精神とあいまって一般読者のニーズに応える作りとなっている。事典としても使うこともできるし、読み物としても面白い。 というもの。 何よりもどこから読んでも面白いのがこの本の魅力と言ってよい。 実証的に大丈夫か、と思うところも、もちろんなくはないのだが。 (もっと他の資料(史料)で補強してほしい所は割とある。*1) 以下、特に面白かったとこ
大和田俊之『アメリカ音楽史』を再読。 アメリカ音楽史 ミンストレル・ショウ、ブルースからヒップホップまで (講談社選書メチエ) 作者:大和田 俊之 発売日: 2011/04/08 メディア: 単行本(ソフトカバー) 内容は紹介文の通り、 ロック、ジャズ、ブルース、ファンク、ヒップホップ…音楽シーンの中心であり続けたそれらのサウンドは、十九世紀以来の、他者を擬装するという欲望のもとに奏でられ、語られてきた。アメリカ近現代における政治・社会・文化のダイナミズムのもとその“歴史”をとらえなおし、白人/黒人という枠組みをも乗り越えようとする、真摯にして挑戦的な論考。 という内容。 実に面白い。アメリカ音楽を愛する者は必読である(というか、みな既に読んでいるはず)。 とりあえず、「偽装」をテーマにした「イギリス音楽・小史」も、誰かに書いてみてほしい。*1 以下、特に面白かったところだけ。 フォスター
柴田浩一 『デューク・エリントン』を読んだ。 デューク・エリントン 作者:柴田浩一 発売日: 2015/12/21 メディア: オンデマンド (ペーパーバック) 内容は紹介文の通り、 日本で初のエリントン、その音楽を解く鍵はここにある。ジャズと横浜を愛する男が、エリントンに魅せられて50年。執筆から10年を費やした力作が完成。 というもの。 エリントンほどの人物でも、日本人の手になる研究書は、この本が出るまではなかったのである。 マイルス・デイヴィスの「年に1日だけでもいい、全てのミュージシャンは自分の楽器を置いてデューク・エリントンに感謝を捧げるべきだ」という言葉も思い出されるところ。*1 以下、特に面白かったところだけ。 エリントンの音楽を変えた男 エリントンも例外ではなくバンド創成期は当時誰もがやっていたスヰートな音楽をやっていた (144頁) では、デュークエリントンがスタイルを変
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