ブックマーク / nikubeta.hatenablog.com (9)

  • 神々の争いのなかの物質主義 タカハシ、ヒライ『危険な物質主義の系譜』 - オシテオサレテ

    危険な物質主義の系譜: アレクサンドロス、アヴェロエス、アルベルトゥス 作者: ヒロ・ヒライ,アダム・タカハシ発売日: 2015/01/13メディア: Kindle版この商品を含むブログ (3件) を見る アダム・タカハシ、ヒロ・ヒライ『危険な物質主義の系譜 アレクサンドロス、アヴェロエス、アルベルトゥス』2015年。 表記の二人によるラジオ放送を増補改訂して活字化したものである。博士論文を完成させたアダム・タカハシさんが、調査・執筆の過程のなかで、発見を積み重ね、それらの発見から一つのきわめて重要な伝統の存在が浮かびあがらせていくさまがあますところなく語られている。中世の神学者であるアルベルトゥス・マグヌスからアラビアの注釈家であるアヴェロエスへ、アヴェロエスから古代ギリシアの注釈家にしてすべてのはじまりであるアレクサンドロスへ、そしてアレクサンドロスの著作にある天空=神という衝撃的な理

    神々の争いのなかの物質主義 タカハシ、ヒライ『危険な物質主義の系譜』 - オシテオサレテ
    haruhiwai18
    haruhiwai18 2019/03/18
    "スコラ学以前のアリストテレス主義の伝統では、キリスト教の神ではなく、太陽を中心とした天空を神と崇めたのであり、その体系は太陽神殿と比される""キリスト教の神なのか、天空が神なのか" →面白そう
  • 2018-12-09 - オシテオサレテ

    スピノザ『エチカ』 2018年12月 (100分 de 名著) 作者: 國分功一郎出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2018/11/24メディア: ムックこの商品を含むブログ (3件) を見る 國分功一郎『スピノザ 『エチカ』』「100分 de 名著 2018年12月」NHK出版、2018年。 「100分 de 名著」シリーズから、スピノザの『エチカ』を解説したものがでました。難解な学説が、芸術的といっていいほど見事に説明されています。『エチカ』への入り口として、まず読むべき書物の地位を獲得するのではないでしょうか。以下、(少し私の言葉づかいが混じってしまっていますが)、全体の内容を紹介しておきます。 第1回「善悪」では、自然のうちには、それ自体として善いものや悪いものはないという話からはじまります。善悪はあくまである特定の時点でのモノとモノの組み合わせに関して生じるものだといいます

    2018-12-09 - オシテオサレテ
    haruhiwai18
    haruhiwai18 2018/12/21
    "なぜこんなにみなスピノザを理解できてしまうのか""デカルトをよく理解していた人々にとって、スピノザの哲学はその一つの発展形として理解しやすかった" →スピノザがわかる理由(当時の連中すげえな)
  • 故郷を想う植民地帝国の国民たち 中野『詩歌と戦争』 - オシテオサレテ

    詩歌と戦争 白秋と民衆、総力戦への「道」 (NHKブックス) 作者: 中野敏男出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2012/05/26メディア: 単行(ソフトカバー) クリック: 3回この商品を含むブログ (5件) を見る 中野敏男『詩歌と戦争 白秋と民衆、総力戦への「道」』NHK出版、2012年。 記録を残したり、記録に残されたりするわずかな数の人々の背後に、名も知られぬまま忘れられていく大量の人々がいます。この人々をかりに民衆と名指すとして、民衆がかつてどのような生を生きていたかをとらえることができなければ、私たちの過去の認識はきわめて不十分なものにとどまってしまう。このようなことは多くの歴史研究者によって同意されていると思われます。 ではこの認識を得るためにどのような史料を使うことができるか。これらについて歴史研究者は異端審問の記録であるとか、日記であるとか、ブックプレートであ

    故郷を想う植民地帝国の国民たち 中野『詩歌と戦争』 - オシテオサレテ
    haruhiwai18
    haruhiwai18 2018/04/20
    "何の政治的含意もない故郷を想う詩が、植民地拡張の時代に国民のアイデンティティを担保しうる。""民主主義、自立を唱えて政治参加を志向することがそのまま翼賛体制の構築につながりうる" →詩歌の"政治性"
  • アイザック・ニュートンと太古の知恵 McGuire and Rattansi, "Newton and the 'Pipes of Pan'" - オシテオサレテ

    J. E. McGuire and P. M. Rattansi, "Newton and the 'Pipes of Pan,'" Notes and Records of the Royal Society of London 21 (1966): 108–143. http://rsnr.royalsocietypublishing.org/content/21/2/108.citation(無料でダウンロード可能) すでに古典としての地位を確立しているニュートン研究である。ニュートンが『プリンキピア』の改訂のために用意したものの、けっきょくはその内容が改訂版に収録されることのなかった草稿のうちに、「クラシカル・スコリア」と呼ばれるものがある。「クラシカル」というのはそこでニュートンが、ギリシア・ローマの著作のうちに自らが発見した自然哲学の内容が含まれていることを立証しようとしている

    アイザック・ニュートンと太古の知恵 McGuire and Rattansi, "Newton and the 'Pipes of Pan'" - オシテオサレテ
    haruhiwai18
    haruhiwai18 2013/12/16
    "近代的科学者と考えることも、「最後の魔術師」(ケインズ)と考えることもできない""古いテキストの解釈は…実験の遂行とならんで、その知的活動の中核""自然哲学者としてのニュートン" →"古典"を読むニュートン。
  • アテナイ民主主義の仕組み 橋場『丘のうえの民主政』第3章 - オシテオサレテ

    丘のうえの民主政―古代アテネの実験 作者: 橋場弦出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 1997/11メディア: 単行購入: 1人 クリック: 3回この商品を含むブログ (2件) を見る 橋場弦『丘のうえの民主政 古代アテネの実験』東京大学出版会、1997年、83–124ページ。 古典期アテナイの民主政のすぐれた解説を読みました。民会は市の西にあるプニュクスの丘という場所でひらかれました。これはアテナイの最高意志決定機関です。市民ならば誰でも参加することができます。年に40回ほど開かれました。議論されたのは外交問題、顕彰問題(誰を顕彰して碑文を建てるか)、国事犯の弾劾裁判、法の制定・改正、将軍や財務官の選挙といった議題です。他方ポリスの財政問題や市民の経済活動や教育はほとんど問題とされませんでした。民会は評議会が上程した議題のみを議論します。ときして評議会の決議案を受けいれ、ときと

    アテナイ民主主義の仕組み 橋場『丘のうえの民主政』第3章 - オシテオサレテ
    haruhiwai18
    haruhiwai18 2013/06/15
    "アテナイは…権力を握ることになったすべての者に裁判制度によって厳しい行動監視の目を光らせ""権力の誘惑に抵抗する人間の能力…というものを…一切信用していなかった" →究極のチェックアンドバランスw
  • 救貧の理想の誕生 ブラウン『貧者を愛する者』第1章 - オシテオサレテ

    貧者を愛する者―古代末期におけるキリスト教的慈善の誕生 作者: ピーターブラウン,Peter Brown,戸田聡出版社/メーカー: 慶應義塾大学出版会発売日: 2012/04/01メディア: 単行 クリック: 15回この商品を含むブログ (8件) を見る ピーター・ブラウン『貧者を愛する者 古代末期におけるキリスト教的慈善の誕生』戸田聡訳、慶應義塾大学出版会、2012年、1–80ページ。 実際、ユダヤ教徒が誰一人として物乞いをせず、かの不敬なるガリラヤ人が自分たちの貧者だけでなく私たちの貧者をも支援しているのに、私たちの民が私たちからの援助なしでいるのを万人が目の当たりにするのは、不名誉なことだ。(3ページ) ユリアヌスがこのように述べたのは362年のことでした。当時すでにキリスト教の一大特徴として、貧しい者をキリスト者であるかいなかにかかわらず援助することが認められていたことがわかりま

    救貧の理想の誕生 ブラウン『貧者を愛する者』第1章 - オシテオサレテ
    haruhiwai18
    haruhiwai18 2013/05/13
    "古代世界…ちょっとした変転により即座にまったくの貧困層に落ちてしまう危険""それが今やキリスト教司祭たちのまなざしにより一つの集団となり" →キリスト教のもとで"貧者"のカテゴリが誕生するまで。
  • 「広島は逃げるように立ち去るべし」 江田島海軍兵学校と原子爆弾 - オシテオサレテ

    典昭『福祉行政最前線』高輪印刷株式会社、1990年。 http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I025774932-00 13日に亡くなった私の祖父は、いくつかの書物を自費出版しています。そのうちの一つは、市役所での仕事を中心にした自分史のようなものになっています。これは老齢に達した人がよく書くジャンルではないでしょうか。そのの冒頭部に、1945年8月6日以降に関する記述があったので、ここに抜き書きしておきます。私には興味深い証言に思えました。この時、坂典昭は江田島の海軍兵学校にいました。 そして、運命の日、あの悪魔の火の爆発が8月6日午前8時15分、広島で爆発いたします。 江田島の生徒館の中庭で体操を終わり、直立していた小生、ピカッとマグネシュウムを焚いたような閃光と、熱風の風圧を首に受けて思わず首筋に手をやります。 ガラガラと生徒館の雨樋が崩

    「広島は逃げるように立ち去るべし」 江田島海軍兵学校と原子爆弾 - オシテオサレテ
    haruhiwai18
    haruhiwai18 2013/01/19
    "2日後の英語の授業で、広島の惨状を英語教官から英語で聞かされる。""江田島は急に敗戦ムードが漂い、あの厳しい規律が乱れ、規律を正す鉄拳制裁も無くなりました" →ブログ主の祖父の 原爆に関する証言
  • おっぱい派 - オシテオサレテ

    ピエール・ベール著作集 第4巻 歴史批評辞典 2 E~O 作者: ピエール・ベール,野沢協出版社/メーカー: 法政大学出版局発売日: 2005/03メディア: 単行 クリック: 17回この商品を含むブログを見る ピエール・ベール「おっぱい派」『歴史批評辞典 II E–O』野沢協訳、法政大学出版局、1984年、734–736ページ。 おっぱい派とはなにか。ピエール・ベール(1647–1706)によると、おっぱい派は再洗礼派から派生したセクトの一つです。オランダのハールレムで、とある男性の若者が結婚したいと思っている女性のおっぱいに手をつっこむという事件がおこりました。これを知った教会(再洗礼派の教会?)は、おっぱいを触った男をどう処遇するかについて議論を開始します。ある人々はおっぱい触りくらい許してやれと言いました。しかし別の人々は、いやおっぱいを触った罪は破門に値すると言ってききません。

    おっぱい派 - オシテオサレテ
    haruhiwai18
    haruhiwai18 2013/01/19
    "とある…若者が結婚したいと思っている女性のおっぱいに手をつっこむ…事件""若者に寛容な態度を示した方が、「おっぱい派…」と命名され" →穏当に「おさわり派」と改名すべき(違 w/野沢協先生の訳し方がw
  • 『エヌマ・エリシュ』からパルメニデスへ ヴェルナン「神話から理性へ」 - オシテオサレテ

    叢書『アナール 1929-2010 歴史の対象と方法』 2 〔1946-1957〕 作者: E・ル=ロワ=ラデュリ,A・ビュルギエール,浜名優美,平澤勝行,池田祥英,井上櫻子,北垣潔,塚島真実出版社/メーカー: 藤原書店発売日: 2011/06/22メディア: 単行 クリック: 12回この商品を含むブログ (1件) を見る ジャン=ピエール・ヴェルナン「神話から理性へ アルカイック期ギリシャにおける実証的思考の形成」塚島真実訳『叢書「アナール」1929–2010 歴史の対象と方法 II』藤原書店、2011年、335–365ページ。 イオニア自然学の宇宙論とは、それ以前の神話的宇宙創成の物語を、非宗教的な形式で説明しようという試みでした。たとえば『エヌマ・エリシュ』に見られるバビロニアの神話・祭儀では、神の力を持つ王が自然と社会の双方の秩序創始者として語られていました。そこでは不定形のもの

    『エヌマ・エリシュ』からパルメニデスへ ヴェルナン「神話から理性へ」 - オシテオサレテ
    haruhiwai18
    haruhiwai18 2012/09/09
    "ポリス…多様な住民が個人的関係や家族関係から離れて政治に参画する抽象的空間がつくりだされ""貨幣の出現…宗教的力が集められるような仕組みを廃棄し、価値の普遍的な尺度という考え方を導入" →"哲学"誕生の背景
  • 1