かつて国内で盤石の首位を誇っていたNECの携帯電話が消えることになる。2013年度(13年4月~14年3月)中にも携帯電話事業を売却する。ケータイ事業を手掛ける子会社、NECカシオモバイルコミュニケーションズ(神奈川県川崎市)の、中国レノボ・グループ(聯想集団)への売却を目指している。 NECカシオモバイルは、NEC(出資比率70.74%)、カシオ計算機(同20.00%)、日立製作所(同9.26%)の3社の携帯電話事業を統合して10年5月に発足した。従来型の携帯電話を生産してきたが米アップルのスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)「iPhone(アイフォーン)」などに押されて収益は悪化。12年3月期は160億円の営業赤字を計上、199億円の債務超過に陥った。13年同期も3年連続営業赤字。黒字化を見通せないと判断した。携帯電話事業からの撤退は4月末に発表する経営計画に盛り込む。 NECとレ
富士通は2013年3月期第3四半期(12年4~12月)の決算発表で最大の懸案だった半導体事業の再編計画を発表した。システムLSI(高密度集積回路)と呼ばれる半導体事業は、パナソニックと共同で13年度中に新会社を設立し、日本政策投資銀行に数百億円の出資を要請する。 富士通とパナソニック、それに半導体大手ルネサスエレクトロニクスは、システムLSIの事業統合を目指してきた。昨年12月、政府系ファンドの産業革新機構とトヨタ自動車などの企業連合がルネサスを買収することで合意した。その後、ルネサスが車載や産業機器向けのシステムLSI事業を社内に残す方針に切り替えたため、統合交渉は難航していた。 ルネサスは、システムLSIとマイコンを主力事業としている。自動車のエンジンや家電のモーターなどを制御し、製品の省エネ性能を左右するマイコンは世界シェア3割を占め、利益率は高い。赤字を垂れ流してきたのが、本来、看
半導体業界の国内再編が最終章を迎えようとしている。家電などに使うシステムLSI事業で、富士通、パナソニック、ルネサスエレクトロニクスの統合交渉が、年度内にはめどがつきそうな雰囲気だ。注目は統合交渉で蚊帳の外だった東芝。「乗り遅れ」を悲観する向きもある一方で、意外にも「本当の勝ち組は東芝かも」とみる関係者も少なからずいる。半導体ドタバタ劇は2幕、3幕と次々に“見せ場”をつくりそうだ。 2012年12月中旬。東京都の経団連会館で開かれた東芝の記者懇親会。ある役員は記者たちにこうささやいた。「ダメな者同士が結婚しても、どうしようもない。あれは……ありえない枠組みですよ」 懇親会の直前には、資金繰り悪化に苦しむルネサスへの産業革新機構やトヨタ自動車などの出資が決定。ルネサス再建の枠組みが見えてきたことで、懇親会でも業界の最大の焦点だったシステムLSI再編が話題に上がったが、3社への合流の可能性を東
ルネサスエレクトロニクス、富士通、パナソニックの3社によるシステムLSI事業の統合構想に、陰りが出始めている。 3社は、この事業統合に生き残りをかけている、とまでいわれていたが、ここにきて、各社は再編の枠組みよりも我先にと自社工場の売却に奔走している。自分の身が一番大切、というわけである。つまり、半導体の大型再編が頓挫の危機に瀕する可能性が浮上してきたというわけだ。 7月27日付日本経済新聞朝刊は、「富士通、三重工場売却」と報じた。富士通の半導体工場の中では最先端である三重工場(三重県)を、世界最大の半導体受託製造企業である台湾TSMCに売却するとの内容だ。当日開かれた富士通の4~6月期の連結決算発表で、同社幹部は「ノーコメント」と見解を述べなかったが、「三重工場を売るのは既定路線」とアナリストは語る。 富士通は08年秋の世界的な経済危機以降、半導体の構造改革に、他社に先駆け着手。各工場の
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く