京都大学数理解析研究所の望月新一教授が、「abc予想」を解決した、ということが新聞などで話題になっている。望月さんが総ページ数500ページに及ぶ4本の論文をホームページに公開し、それが「ネイチャー」で報じられたからだ。 実は、先週のアエラ(10/8日号)では、この件に関して、数学ライターの中村亨さん(コマネチ大学の出題者)とぼくからの取材で一本記事を作って報道している。望月さんと数理解析研が一切取材に応じない方針だそうで、編集者はがっかりしていた。それで、中村さんとぼくに(つまり、プロの数学者でない人に)白羽の矢がたったのだろう。こういうことがあるとつくづく思うのは、市民と学者の間をつなぐ専門報道者の必要性だ。何もゴシップに関する取材にまで誠実に答えよ、とはいわないが、マスコミを介して市民が大きな関心を持っているこのような大きな業績に関しては、ある程度は市民への情報サービスをしてほしく思う