IMFの対日審査責任者を務めるリュック・エフェラールト氏は今月2日に記者団に、「日本には賃金上昇を支える政策が必要だ」と指摘した。IMFがこうした異例のアプローチを支持するのは、日本の「デフレマインド」がいかに根深く定着し、より伝統的な政策ミックスをはね返しているかを認めたものだ。また、一部エコノミストによるいわゆる「ヘリコプターマネー」政策の勧めに対するIMFの答えでもある。エフェラールト氏はヘリコプターマネーは「極めて大きなリスクを伴う」と指摘した。 賃上げを促すより積極的な行動を求めるIMFと同調する声が日本国内にもある。山本幸三地方創生担当相は今月4日に都内で記者団に対し、賃金上昇目標に関して全省庁挙げて議論を促す必要があるとの見解を示した。 1970年代のニクソン、フォード、カーターの歴代米大統領の経験は、所得水準の修正に向けた政府の取り組みの有効性について教訓を与えている。ニク