筆者の医学部時代を思い返すと、当時医学部に入学する学生は主に、「純粋に医師になりたい人」「親が医師である人」「成績がよかったから医学部に来た人」の3種類がいたように思う。 資格職以外では継続的に就労することが難しいと思われている女性では、「ずっと働きたいから」という人がいたような気がする。そして、長い就職氷河期を経て、「安定した、(ほかの職種よりも)給料の多い職業だから」という動機で入学する人が増え、それが今の医学部人気につながっているように思われる。 「安定しているから」という理由は賢明か 本コラムでは今後、医学部に入学することが、果たしてコストの点からみて「賢明な選択なのか」ということについて述べてみようと思う。 「医師」という高い倫理観を求められ、かつ「やりがい」のある仕事に対して、「コスパ」という観点からのみ語るのはやや乱暴だし、医師の仕事に魅力を感じ、なりたい人は、コスパにかかわ