「女性が学歴をつけても結婚できないね」 「東大なんか行ったらお嫁に行けないからやめた方がいい」 これは、本書に登場した東大女子たちが実際に母親から言われていた言葉です。 著者は取材を始めるまでは、東大女子のインタビューを通して、職場での出世を阻む日本社会の「ガラスの天井」が見えてくるのではないかと想定していました。ところが実際には、もっと手前の段階で、母親や周囲の男性から「女性」として位置づけられることで生まれる生きづらさが彼女たちを苦しめていたことが分かってきました。 しかし、そのような生きづらさを感じたときに、泣き寝入りしないのが彼女たちの強さでもありました。 人生の「壁」にぶち当たっても、何度でも人生をやり直して立ち上がるレジリエンス(=再起力)を持っていたのです。 一つの企業・組織で一生を終える旧来の価値観で言えば、企業や組織を離れていく女性たちは「道を変えざるを得なかった」という
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