金融政策の運営をめぐる「岩田・翁論争」と「植田裁定」から30年が経過した。中央銀行(日本銀行)が能動的にマネーを市場に供給することができるか否かをめぐって岩田規久男氏(当時は上智大学経済学部教授)と翁邦雄氏(当時は日本銀行調査統計局企画調査課長)の間で行われた論争は、短期には困難、長期には可能という植田和男氏(当時は東京大学経済学部助教授)の論点整理によって決着するかに見えた。 だが、議論はこれで収束とはならず、岩田・翁論争は「リフレ派」と「日銀理論」の間の論争という形で引き継がれ、いまも続いている(「日銀理論」は、通貨供給の受動性や能動的な金融政策の限界を強調する見解を「リフレ派」が批判をする際に用いられる用語であるが、代わりになるよい用語が見当たらないため、本稿では「日銀理論」という表記をそのまま使うこととする)。 白川方明総裁(当時)のもとでの金融政策の運営については、日銀理論に沿っ
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