ブックマーク / synodos.jp (12)

  • 「リフレ派」と「日銀理論」と「植田裁定」――マクロ経済政策の見取り図(前編)/中里透 - SYNODOS

    金融政策の運営をめぐる「岩田・翁論争」と「植田裁定」から30年が経過した。中央銀行(日銀行)が能動的にマネーを市場に供給することができるか否かをめぐって岩田規久男氏(当時は上智大学経済学部教授)と翁邦雄氏(当時は日銀行調査統計局企画調査課長)の間で行われた論争は、短期には困難、長期には可能という植田和男氏(当時は東京大学経済学部助教授)の論点整理によって決着するかに見えた。 だが、議論はこれで収束とはならず、岩田・翁論争は「リフレ派」と「日銀理論」の間の論争という形で引き継がれ、いまも続いている(「日銀理論」は、通貨供給の受動性や能動的な金融政策の限界を強調する見解を「リフレ派」が批判をする際に用いられる用語であるが、代わりになるよい用語が見当たらないため、稿では「日銀理論」という表記をそのまま使うこととする)。 白川方明総裁(当時)のもとでの金融政策の運営については、日銀理論に沿っ

    「リフレ派」と「日銀理論」と「植田裁定」――マクロ経済政策の見取り図(前編)/中里透 - SYNODOS
  • サンスティーンという固有名を超える!――めんどうな自由、お仕着せの幸福第6回(最終回)/成原慧×那須耕介 - SYNODOS

    サンスティーンという固有名を超える!――めんどうな自由、お仕着せの幸福第6回(最終回) 成原慧×那須耕介 情報 那須耕介さんがナッジやリバタリアン・パターナリズムをめぐって語り合う対話連載、ついに最終回です。トリをとっていただくのは、九州大学の成原慧さん。プライバシーやAI、ロボットといった、今をときめくテーマで各所に引っ張りだこの成原さんに、そもそものところからうかがい、やっぱり出てくるサンスティーンとレッシグの対比をしつつ、視点は「意識高い系」までジャンプ! どうぞお楽しみください。(勁草書房編集部) 那須 ここまで5人の方々にリバタリアン・パターナリズムやナッジをめぐってお話をうかがってきたのですが、私の人脈の狭さもあり、法哲学や政治理論の研究者が中心でした。今回はじめて、実定法分野の先生のお話をおうかがいすることになるわけです。そこでまず、成原さんご自身の研究についてお聞かせいただ

    サンスティーンという固有名を超える!――めんどうな自由、お仕着せの幸福第6回(最終回)/成原慧×那須耕介 - SYNODOS
  • 『政治の理論』――近代において共和主義を再考する/稲葉振一郎 - SYNODOS

    全体主義は否定すべき悪であるのか? 書『政治の理論』に至るまでの私の仕事を振り返ってみるならば、まず1999年の『リベラリズムの存在証明』というがあった。あののライトモチーフはひとつには”Taking Libertarianism seriously”であり、直観的には荒唐無稽だが、すっきりと明快であるがゆえになかなか決定的な論駁が難しく、思考実験としては大いに魅力的であるリバタリアニズム、最小国家論に対して普通のリベラリズムをどこまで防御できるか、という問題意識がそこにはあった。 今一つのモチーフとしては、経済学における「ケインズ経済学のミクロ的基礎付け」とのアナロジーで言えば「全体主義のミクロ的基礎付け」とでもいうべきものであり、合理的選択理論を根底に置いた考え方で、どこまでいわゆる全体主義というものを理解できるか、またそれに抵抗する方途としてはどのようなものが考えられるのか、と

    『政治の理論』――近代において共和主義を再考する/稲葉振一郎 - SYNODOS
  • ネット炎上の真実と解決策/田中辰雄 / 計量経済学 山口真一 / 計量経済学 - SYNODOS

    インターネット黎明期、多くの人はその可能性に胸を躍らせたものである。とくに、非対面コミュニケーションが飛躍的にしやすくなり、それによる新たなる知の創造が起こることは、大いに期待された。実際、ソーシャルメディアの登場と普及は、「普通の人」による不特定多数への情報発信という、今までにない情報発信/共有のかたちをもたらした。まさに、コミュニケーション革命といえるだろう。 しかし現在、インターネット上での自由な発信や議論について、悲観的な意見が増えてきている。その大きな要因となっていることの1つに、1つの対象に批判や誹謗中傷が集中する、いわゆる「炎上」があげられる。例えば、一般人がUSJでの反社会的行為をブログやTwitterで発信したところ拡散されて批判が集中した事例や、複数の芸能人が行っていたステルスマーケティング(注1)が露呈して批判が集中した事例等、様々な対象・様々な行為に対して炎上が起こ

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  • 通塾は進学に有効だったのか――教育の「効果」を考える/中澤渉 - SYNODOS

    日常生活を出発点に塾の教育効果を考える あなたが受験を目前に控えているとしよう。受験前の子をもつ保護者の立場でも構わない。試験では高得点を収め、合格するのが望ましい。高い点を取るには、勉強が必要だ。しかし勉強の仕方がわからないとか、より効率的に勉強したい(させたい)とか、いろいろな思いが交錯する。周囲を見回してみると、成績の良さそうな子の多くは塾に行っているようだ。そこで、塾に行ったら点数が上がるのでは、と考える。 私たちは頭の中で、塾に行った自分と、そうでない自分を想像する。そしてそれぞれの場合について、どんな結果が待っているだろうと考えを巡らせる。塾に行けば、受験テクニックを身につけることができ、点数が飛躍的に向上するのではないかとか、塾に行くには時間や労力というコストがかかるし、塾の授業は学校の授業の焼き直しに過ぎないから、その分自力で勉強した方がマシではないか、などというように。そ

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  • 生き残っていく理論が物理となる――宇宙と相対性理論の最前線/『ブラックホール・膨張宇宙・重力波』著者、真貝寿明氏インタビュー - SYNODOS

    生き残っていく理論が物理となる――宇宙と相対性理論の最前線 『ブラックホール・膨張宇宙・重力波』著者、真貝寿明氏インタビュー 情報 #新刊インタビュー#ブラックホール#重力波#相対性理論 アインシュタインが一般相対性理論を発表して今年で100年になる。時間と空間の捉え方を覆したこの理論は、宇宙の膨張やブラックホール、重力波の存在を予言し、今日も数多くの宿題を残している。『ブラックホール・膨張宇宙・重力波 一般相対性理論の100年と展開』(光文社新書)の著者である理論物理学者の真貝寿明氏にお話を伺った。(聞き手・構成/大谷佳名) ――先生のご専門である理論物理学は、どのような学問なのですか? 数学を用いて自然現象を表してゆくのが物理学ですが、その中でも特に、実験や観測に先行して理論を構築し、自然現象を予想したり説明しようとするのが理論物理学です。そしてそれらの多くの理論が後に観測や実験で淘汰

    生き残っていく理論が物理となる――宇宙と相対性理論の最前線/『ブラックホール・膨張宇宙・重力波』著者、真貝寿明氏インタビュー - SYNODOS
    harumanachika
    harumanachika 2015/11/17
    synodos.jp/newbook/15536
  • 保護者の所得は学力にどれほど影響があるのか?/山田哲也 - SYNODOS

    文部科学省が実施した保護者調査のインパクト 専門家会議による議論を受けて、2013年度の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)では、毎年実施される体調査とあわせて、多様な観点から学力に影響を与える要因を分析する「きめ細かい調査」が実施された。 この調査は、(1)経年変化分析調査、(2)保護者に対する調査、(3)教育委員会に対する調査から構成されている。なかでも人びとの注目を集めたのは保護者を対象にした質問紙調査で、そこで得られたデータを用いた調査報告書が2014年・2015年に公開されている(リンク先は容量の大きいPDFなのでご注意ください)。 なぜこの調査結果が着目されたのか。やや遠回りになるが、その背景を整理してみよう。 90年代後半にいわゆる「学力低下」論が社会問題化し、2000年代以降には日でも保護者の社会経済的地位(SocioEconomic Status:SES)を把握し

    保護者の所得は学力にどれほど影響があるのか?/山田哲也 - SYNODOS
    harumanachika
    harumanachika 2015/10/27
    synodos.jp/education/15429
  • 経済成長も、再分配も――消費税増税延期が及ぼす影響とは?

    消費税再増税の是非が問われる中、シノドス編集長の荻上チキが11月4日に「今後の経済財政動向等についての集中点検会合」に参加。その後、荻上が「消費税増税を見送るべき」という点検会合での発言内容をツイートしたところ、NPO法人フローレンス理事の駒崎弘樹氏が「増税延期には賛成しづらい」という苦渋の立場を表明する。それをきっかけにして巻き起こった議論は、決して冷静なものとは言えない不幸な衝突となってしまった。そこでシノドスでは、駒崎氏と経済学者・飯田泰之との対談をセッティング。互いの立場から、財源論や消費税増税のタイミングについて語り合ってもらった。(構成/金子昂) 「財務省」という人はいない 荻上 11月4日、「今後の経済財政動向等についての集中点検会合」に参加してきました。ぼくはそこで、消費税増税を見送るべきという立場を表明しました。そこで話したことを連続ツイートした際、それを受けて駒崎さんが

    経済成長も、再分配も――消費税増税延期が及ぼす影響とは?
  • 演じることにはすでに批評行為が含まれている/舞台芸術家・鈴木忠志氏インタビュー - SYNODOS

    1960年代、「早稲田小劇場」で日の演劇の潮流を変え、1976年に富山県利賀村に移ってからは、世界とダイレクトに結び合いながら活動してきた鈴木忠志氏。今夏に開催された第1回利賀アジア芸術祭には、国内のみならず世界各国から観客が訪れた。『シラノ・ド・ベルジュラック』のクライマックスで、夜の野外劇場を花火が彩る。『からたち日記由来』では、語りの力が、合掌造りの劇場につめかけた観客を異世界へと連れていく。はじめて訪れる者にとっては、こんな山深い村にこんな空間が?!と驚くような体験だ。幻想的な夜が明け、静けさを取り戻した利賀村で、「演劇と力」をめぐって話を聞いた。(聞き手・構成/島﨑今日子) ―― 利賀村に来たのははじめてです。合掌造りの劇場も見られたし、来てよかったです。 今年の利賀アジア芸術祭には、18カ国から150人が参加したんです。俺の訓練(スズキ・トレーニング・メソッド、独自の俳優訓練

    演じることにはすでに批評行為が含まれている/舞台芸術家・鈴木忠志氏インタビュー - SYNODOS
  • リーマンショック世代・ロスジェネ世代に希望はあるのか/近藤絢子 - SYNODOS

    最近、人手不足のニュースを耳にすることが多くなった。求人数と求職者数の比率を示す有効求人倍率も上昇を続けており、完全失業率も3%台半ばにまで下がってきている。リクルートやマイナビの調査[*1][*2]によれば、来春卒業予定の大学生の7月時点の就職内定率も、 前年同月比で約6%上昇しているという。 しかし、思い出してほしい。5年前、リーマンショック直後の2009年には、完全失業率は5%を超え、「派遣切り」「ワーキングプア」といった言葉がメディアを賑わせていた。この就職超氷河期を経験した、2010年ないし2011年春に卒業した人たちは、今の景気回復の恩恵を受けることができているのだろうか。 過去の日においては学校を卒業するタイミングで不況を経験した世代は、その後何年にもわたって、ほかの世代に比べて雇用が不安定で年収も低かったことが知られている。日の労働経済学者たちはこれを「世代効果」と呼び

    リーマンショック世代・ロスジェネ世代に希望はあるのか/近藤絢子 - SYNODOS
  • 『乗数効果と公共事業の短期的効果への疑問──藤井聡先生へのリプライ』への追加コメント/藤井聡 - SYNODOS

    『乗数効果と公共事業の短期的効果への疑問──藤井聡先生へのリプライ』への追加コメント 藤井聡 公共政策論、実践的人文社会科学研究 経済 #乗数効果 記事は、飯田泰之(明治大学経政治経済学部准教授・シノドス)と藤井聡氏(内閣参与・京都大学大学院教授)の討論のうち、「三橋貴明の 「新」日経済新聞」(メールマガジン)に掲載された、藤井氏による飯田への追加コメントを転載したものです。この討論は、飯田泰之が月刊誌『Voice』に寄稿した連載「ニッポン新潮流」に、藤井氏がコメントを同メルマガにお書きになったことから始まりました。藤井氏のコメント、飯田のリプライは下記よりご覧いただけます。また記事に対する、飯田の再リプライも掲載しましたので、ぜひご覧ください。(シノドス編集部) 藤井聡:「飯田泰之氏のVoice(2014年3月号)への寄稿論説について」 飯田泰之:「乗数効果と公共事業の短期的効果へ

    『乗数効果と公共事業の短期的効果への疑問──藤井聡先生へのリプライ』への追加コメント/藤井聡 - SYNODOS
  • 中国経済の「不確実性」とどう向き合うか/梶谷懐 - SYNODOS

    2012年秋の反日デモによる日系企業や店舗の打ち壊しから早くも一年近くが過ぎたが、その間に中国でのビジネスはすっかり「高リスク」の代名詞になってしまった。とくに日企業にとって中国でのビジネスはかつてない不安定さ、不確実性を抱え込んでいるといってよいだろう。 また、今年の6月には銀行間市場における資金の逼迫を背景として短期金利が急上昇し、その後株価が急落するなど、金融システムにおける脆弱性が、中国経済が抱えるさしあたっての「リスク」として問題視されている。 もちろん、ビジネスに不確実性やリスクはつきものである。ただ、中国でのビジネスに関するリスクの特徴は、そこに中国の経済システムに特有の問題がからんでいる点にあるだろう。それは日の経済システムとはかなり異質なものを含んでいるため、システムの構造自体を理解しなければ、そこに具体的に生じているリスクがどの程度のものなのか、客観的な評価自体が困

    中国経済の「不確実性」とどう向き合うか/梶谷懐 - SYNODOS
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