日本の学術情報流通政策を考えるために 1. 学術情報流通と学術情報流通政策 まずは用語の整理から始めたい(1)。「学術情報流通」は、Scholarly CommunicationやScientific Communicationに相当する言葉と思われるが、最近よく使用される「学術コミュニケーション」が、学術情報の生産から利用に至るまでの全プロセスや研究者間のコミュニケーションに重心があるのに対し、「学術情報流通」は流通という側面に力点があるように見える。このようなニュアンスはあるものの現実的には同義語と受け止めて差し支えない。土屋(2)が、学術情報流通は「現代社会における情報流通のごく一部を占めるにすぎないものであるかもしれない」としながらも、行政目的や政治目的、商業目的の情報流通、マスコミュニケーション、エンターテインメントにかかわる情報流通などの「はるかに膨大な量の情報を膨大な費用を
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