『看護教育』 (医学書院)2002年10月号p.794-795に掲載されたもの. ただし,Web化する際に一部加筆しました(青字部分). 心のケア,心の癒し,心の傷,心の闇,心の教育,こころ,ココロ……と,近頃,何かと言うと「心」なのである.それに関連して,カウンセリング,何とかセラピー,何とかチルドレン,脳の男女差,「困った人たち」,EQなどなどの,いわゆる「心理用語」も花盛りだ.そうした傾向は「自分」という言葉にも表れている.自分らしさ,自分探し,自己実現,自己決定,自分で考える…….そう言えば,某パソコンのCMで,ある青年の部屋に唐突に入り込んできた謎の中年男が,青年の作ったホームページをのぞき込んで,「自分,自分,自分……みんな自分が好きなんだ」とつぶやくのが妙に印象に残っている.パソコンを売ろうっていう会社が,自作ホムペ作って悦に入っているヤツを皮肉っていいのか? しかし,こうい