ブックマーク / www.art-it.asia (6)

  • 32:絵描きと「贋金つくり」——会田誠「天才でごめんなさい」展をめぐって(2) - ART iT(アートイット)

    連載での進行中シリーズ〈再説・「爆心地」の芸術〉は今回お休みとなります。 前回はこちら 会田誠「犬(雪月花のうち“雪”)」1998年 パネル、和紙、岩顔料、アクリル絵具、ちぎり絵用の和紙 73x100cm 撮影:宮島径 © AIDA Makoto Courtesy Mizuma Art Gallery 日の美術は、いまなお明治維新における西洋文明導入時の悪しき忘却と反復に陥っている。そこでは、まるで歴史など存在していないかのようだ。会田誠「天才でごめんなさい」展における連作「犬」をめぐる一件なども、その一端だろう。今回の問題については、昨今の「児童ポルノ」の概念規定をめぐる一連の動向と絡めて語られる傾向が強い。が、そもそもこの日で、美術として図画に描かれた女性の裸体図さえ社会的に問題視する傾向が、いったいいつから、どのような経緯を経て広まったのかという、より根的な出自を確かめてお

  • 奈良美智氏の反論:ブログ記事「ビジネスマンとしての奈良美智」に対して

    ART iT 公式ブロガー、Adrian Favell氏による「ビジネスマンとしての奈良美智」に対し、アーティスト奈良美智氏より反論がありました。 以下に、人より事実誤認とする部分について、訂正をいただきましたので掲載いたします。 (この反論の英語訳についてはこちらから Please Click here for the English translation) Favell氏自身が当初掲載していた日語訳は、日語と英語のニュアンスの違いから、一旦ご人がブログ記事から削除しましたが、奈良氏からの要請を受けて、この訂正注釈公開にあわせて、再掲載します。しかしながら、Favell氏は、英語の原文が持つニュアンスが伝わりにくいことに対し、懸念しておりますので、読者におかれましては、その点をご考慮頂くようお願いいたします。 尚、ARTiT公式ブログに書かれた内容は、個人ブログ同様にブロガー自

  • 奈良: ビジネスマンとしての奈良美智

    HARMLESS KITTY (1994 / Tomio Koyama Gallery) On the occasion of the opening of Yoshitomo Nara's new show at Yokohama Museum of Art -- 11 years after the breakthrough show there. http://www.nara2012-13.org Still hip, still selling loads. How does he do it? My thoughts below. Takashi Murakami, Blum and Poe, Fumio Nanjo, Midori Matsui, Tomio Koyama, Makoto Aida: Everybody was at the opening. Nara

  • 新連載 椹木野衣 美術と時評 - ART iT(アートイット)

    今月から月評が始まることになった。いま、その初回の原稿を書こうと机に向かったところだ。月にひとつの展覧会レビューなら『美術手帖』誌で書いているので、ここでは別のかたちを探ってみようと思う。1に絞るのではなく、複数の展覧会や事象について書くことになるだろう。が、いっそ生活するなかで拾った雑事も取り入れ、そこから生まれるリズムのなかで、ざっくばらんに書いていくというのはどうだろう。第一、ここは不透明な紙に印刷された反射文字の世界ではなく、発光するモニターに映し出された透過ウェブでの話だ。日記というのではないにせよ、それ相応の読まれ方というものがあるだろう。もちろん書き方も。 外からの大竹批評 たとえば、いま机上には秋学期が始まり、久しぶりに大学の研究室に顔を出してポストで見つけた新刊が1冊乗っている。ひとまず、そこから昨今の美術の状況について考えてみることはできないか。ここで新刊というのは可

  • 破滅へ至るカオス、循環するカオスモス−−−『破滅*ラウンジ』以後 - 連載 椹木野衣 美術と時評:9

    『破滅 → 再生ラウンジ〈LIVE2(インスタレーション)〉 ——アーキテクチャ時代のイメージ』2010年 写真提供:NANZUKA UNDERGROUND 連載第6回でのカオス*ラウンジ展評(髙橋コレクション日比谷)に続き、先頃、雑誌『新潮』(2010年8月号)に破滅*ラウンジ論を寄せた。『破滅*ラウンジ』とは、日比谷での展示で主力となったpixiv系カオス*ラウンジのメンバーによる整然とした「展示」に変わって、普段は美術とは関係がなく、職業的にコンピュータのプログラミングを専門とする、いわゆる「ギーク」たちを空間に棲まわせることで、彼らの居住から自ずと生成される混乱をそのまま見せようとするもの。当初のもくろみでは、会期の半ばからカオス*ラウンジのメンバーが美術家として介入することで、この混乱を鎮め、会期終了までには展覧会として「再生」させることが計画されていた(『再生*ラウンジ』)

  • 連載 椹木野衣 美術と時評:6

    カオス*ラウンジ ———— 萌えいづる自由・平等とその行方 『カオス*ラウンジ2010 in 高橋コレクション日比谷』展示風景 2010年 4月16日、村上隆の主宰する「GEISAI大学」(於カイカイキキギャラリー)で、アーティストにして美術批評家、黒瀬陽平によるレクチャーが行われた。黒瀬氏はそこで、みずからキュレーションを手掛けた『カオス*ラウンジ(以下、CLと略)2010』展(髙橋コレクション日比谷ほか順次開催)の背景とコンセプトをひと通り説明し、会はその後、深夜にまでおよぶ「放課後」へとなだれ込んだ。その一部始終はユーストリーム(以下、USTと略)で実況され、2000人を超える仮想の観客が画面を前に固唾を飲んでこの「事件」を凝視した。その行方については、今後再編成されるというCLのレスポンスに期待するとして、この場では黒瀬レクチャーへの批評的レビューを残すに留める。 もともとCLは、

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