次期日銀総裁人事が話題になっている。メディアでは武藤敏郎・大和総研理事長や黒田東彦(はるひこ)・アジア開発銀行総裁などの名前が挙がっている。 あるマスコミ関係者の間では、安倍晋三首相はコーヒーを飲むとき砂糖を入れるか、入れないかのどちらかが好きか、という言い方をする。砂糖を入れないのは、「無糖(むとう)」ともいうし、「ブラック(くろだ)」ともいうダジャレだ。 個人名を出して総裁が誰になるかを論じるのは、人事が好きなサラリーマンの居酒屋での格好の肴になるが、今回は日銀と財務省の関係や、財務省にとっての日銀総裁ポストの意味合い、財務省出身者が総裁になった場合の影響などについて解説しよう。 しばしばマスコミは「日銀は独立している」または「独立すべき」と書くが、実際は財務省から見れば「子会社」、所管法人という位置づけだ。法的にみても、日銀は財務省所管の認可法人である。認可法人とは、いわゆる特