今後、安倍政権の経済政策運営に対する「グリップ」(掌握力)が強まれば、財政拡大政策に一定程度は期待できるかもしれない。ただ、現実には、安倍官邸が北朝鮮問題を中心とした外交面に注力せざるをえず、経済政策に対する注力が低下しているようにも見える。2018年に向けて、安倍政権が拡張的な財政政策発動をすることに過度な期待を持つのは難しい。今後の補正予算を含めて、2018年は「歳出規模を若干拡大させる程度」と筆者は想定している。 一方、9月1日に行われた民進党の代表選挙では前原誠司氏が勝利し、新たな党の代表となった。7月31日のコラム「『内閣改造後』に日本株が上昇する条件とは?」において、「野党、自民党の一部議員、メディアいずれからも、(金融緩和、拡張財政を徹底できるかという)認識を踏まえた経済政策の提言などはほとんどみられない」「現状では安倍政権しか経済政策を任せることができる選択肢が見当たらない