税制に反映される国家観 税制にはある種の「国家観」が反映される。例えば、キャピタルゲイン課税や有価証券取引税が高率な場合、極論すれば、国(政府与党)は株式投資を「博打」みたいなものだとみなしているということになろう。株式投資は資本主義の根幹をなす制度だと思うが、国はそれに対して否定的であるということだ。 そこで、株式譲渡益課税をみると、日本は申告分離課税で一律20%であるが、米国はキャピタルゲインの金額によって、0、15、20%の3段階の累進課税、イギリスは同じく10、20%の累進課税となっている。一方、ドイツは分離課税の場合は一律26.375%、フランスの場合は30%となっている(『図説 日本の税制』による)。 株式譲渡益課税の税率をみる限り、日本は、英米のアングロサクソン諸国ほどではないが、仏独の大陸欧州諸国に比べれば、自由主義的な経済システムについての理解は比較的あるということになる