非公開の弁論準備手続を、被告である国の指定代理人が録音した「盗聴騒動」をめぐり、弁護士から非難の声があがっている。 録音機は国の退席後もオンになっており、発覚しなければ、裁判所が原告側に個別聴取するシーンも筒抜けになっていた。この事件では和解に向けた協議が進んでおり、相手方には伝えられないセンシティブな話が出ていた可能性もある。 試験におけるカンニングやスポーツのサイン盗みにも等しい行為で、弁護士ドットコムニュースが実施した緊急のオピニオン募集にも、「裁判所への信頼や紛争解決機能を根底から揺るがす」「まとまる話もまとまらなくなってしまう」など厳しい声が寄せられている。 ●録音した防衛省「事実関係を調査中」 問題が起きたのは、横浜地裁横須賀支部で10月11日に実施された弁論準備手続。米軍基地で働いていた女性が、国を相手に起こした労働裁判でのことだった。 国側が退席した直後、原告側代理人の笠置