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ブックマーク / dain.cocolog-nifty.com (6)

  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる

    なぜ自分が自分の形を留めていられるかというと、自分を知る誰かがいるから。 誰も自分を知らない場所へ旅するのもいい。そもそも誰一人いない場所を旅するのもいい。だが、いつかは放浪をやめてこの世界のどこかに落ち着かなければならない。さもないと人という存在と疎遠になり最後には自分自身にとってさえ他人になってしまう。 誰かを撮った写真は、近しい人間の心のなかでしか価値を持たないのと同じように、人の心も別の人間の心の中でしか価値を持たず、その人の思い出は、思い出したときにのみ存在するだけであって、思い出す人がいなくなれば、消え去るほかない。 人生は思い出だ、そして思い出が消えれば無になる。だから人は思い出を物語ろうとする―――コーマック・マッカーシーの『越境』を読んでいる間、そんな声が通底音のようにずっと響いていた。 マッカーシーの代表作ともいえる国境三部作(ボーダー・トリロジー)の第二作がこれだ。第

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  • ものつくりの科学の歴史「工学の歴史」

    科学史や技術史とは一線を画する「工学史」という新しい領域を読む。 かなりの大著と思いきや、ポイントを絞ってコンパクトにまとめている。機械工学を中心に据え、細部は参考文献に任せ、キモのところを大づかみに伝えてくれる。おかげで、歴史・地理の両方から俯瞰的に眺めることができる。知のインデックスとして最適な一冊。 テクノロジー&サイエンスといえば、西洋の専売特許だが、長い目で見ると違う。ニーダム線図、ニーダム・グラフと呼ばれるグラフが顕著だ。歴史的には、長いあいだ中国こそが科学技術の先進国だったことは知っていたが、ここまであからさまだとは。 中国は古代から中世まで科学技術で世界をリードしていた。だが西洋は後期中世から急激に成長し、ルネサンスを境に両者の関係は逆転している。新参者にすぎない西欧が、なぜ中国を追い抜いたのか? もちろん科学と軌を一つにしてきた軍事面から説明できる。「戦争の世界史」を読む

    ものつくりの科学の歴史「工学の歴史」
  • この「旅」の本がスゴい

    オススメを持ち寄って、まったり熱く語り合うスゴオフ。 今回のテーマは「旅」、様々な解釈ができるので面白い。地理的な移動をまとめた紀行文から選んでもいいし空想の旅もあり、「○○の旅」とタイトルから攻めても出てくる出てくる。まずは見てくれ、この旅の収穫。 鉄道 「旅マン」ほりのぶゆき(小学館) 「トラベル」横山裕一(Cue comics) チャリ・バイク・クルマ 「モーターサイクルダイヤリーズ」チェ・ゲバラ(角川文庫) 「がむしゃら1500キローわが青春の門出」浮谷東次郎(ちくま文庫) 「ああ、人生グランド・ツーリング」徳大寺有恒(NAVI BOOKS) 「スズキさんの休息と遍歴またはかくも誇らかなるドーシーボーの騎行」矢作俊彦 「行かずに死ねるか!―世界9万5000km自転車ひとり旅」石田ゆうすけ(幻冬舎文庫) 船旅 「星の航海師 ナイノア・トンプソンの肖像」星川淳(幻冬舎) 「KAZ

    この「旅」の本がスゴい
  • マンガを読めない子どもたち

    「マンガが読めない子どもが増えている」というが、当だろうか。 セリフをつないで読むだけでなく、コマを追って、間を想像して理解できないらしい。体感ネタだから真偽は人それぞれだが、マンガそのものは複雑だぞ。漫符や構成を読み解くところなんて、相当の慣れが必要だし。 マンガが複雑?不思議に思うかもしれない。「マンガで分かる」シリーズがあるくらいだからね。しかしそれは、昔から日常的にマンガに親しんでいるから。「マンガの方法」について習熟しているんだ。わたしがこれに気づいたのは、逆説的だが、「マンガの創り方」を読んでから。これは、完成稿から、そこへいたるネーム、箱書き、構成、ネタを逆算し、「マンガを面白くしているものは何か?」を徹底的に解体している。音楽や絵画や小説と同様、普段からマンガを読まない人にとって、その面白さを味わうのは難しいのかもしれない。 ためしに異国のマンガに触れると、かなり戸惑う読

    マンガを読めない子どもたち
    hata4500
    hata4500 2012/01/23
    マンガ
  • Foresight の代わり、どうする?

    新潮社のクオリティ・ペーパー「Foresight」が休刊する[参照]。 な、なんだってーΩΩΩ!一般紙と比べ割高とはいえ、良質の記事が並んでいるので重宝していたのに… そういやここ数ヶ月、「らしからぬ」妙な酒やら証券会社の広告が増えていたな。お約束のように、「昨今の厳しい出版事情」と「インターネットの台頭」が休刊理由として挙げられており、不謹慎ながら笑った。 さておき、どうしよう。これで、「定期購読までして読みたい雑誌」が消えてしまうことになる。ほとんどの雑誌は立ち読み or 図書館 or 特集により購入で済ましてきたけれど、Foresight は一通り読んできたからなぁ。「今年の派遣村がないのは、指導者が国家戦略室に取り込まれているから」とか、「政治家のウソを組織的に暴く politifact.com が米国で人気らしい」といったネタが一誌で得られるのは、Foresight ぐらいだろう

    Foresight の代わり、どうする?
  • 「フォーサイト」の次は、これに決めた!

    新潮社のフォーサイトが休刊するにあたり、代替を探していた[URL]。たくさんの有益なアドバイスをいただき、とても感謝しています。リサーチと呻吟の結果、以下の雑誌を定期購読することに。 フォーリン・アフェアーズ・リポート COURRiER Japon まず、フォーリン・アフェアーズ、これはスゴい。アメリカの外交問題評議会によって創刊された外交・国際政治専門誌で、最も影響力のあるそうな[Wikipedeia:フォーリン・アフェアーズ]。「フォーサイト」でいうなら、巻頭リポートに相当するネタが3倍入っている。さらに、ホット・イシューに対応する「特集」が3-4の論文、フォーラム、対談形式で集められている。マネジメント層(しかもかなり上の)での政策決定の材料として充分。 たとえば今号(2010年1月)の「中国の台頭の戦略的意味合い」を読むと、中国をステレオタイプに描く日経○○との差が際立つ。中国

    「フォーサイト」の次は、これに決めた!
    hata4500
    hata4500 2011/05/07
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