1955年、足踏み式の織機でハリスツイードを織る、英国スコットランド、アウターヘブリディーズ諸島の職人。こうした離島で、何世紀にもわたる織物の伝統が受け継がれている。 (PHOTOGRAPH BY BERT HARDY, PICTURE POST/HULTON ARCHIVE/GETTY IMAGES) 80年間使われている織機に身をかがめ、27歳のミリアム・ハミルトン氏はカチカチと音を鳴らし、毛糸からツイード生地を織っていく。ここは英国スコットランドの西端、アウターヘブリディーズ諸島のルイス島。湖畔の工房で、彼女は何世紀にもわたって受け継がれてきた伝統を担っている。ただし彼女の作る美しい生地は、昔ながらのハンティングジャケットやシャーロック・ホームズの帽子に使われるのではなく、鮮やかな色の男性用ベストや小洒落たランプシェードになる。 「自然の中にあるパターンをツイードにしたいのです」と、