北アルプスなどで相次いでいる冬の山岳遭難事故。西穂高岳(岐阜県、2909メートル)では藤沢市の登山グループの男性(50)が凍死するなど、真冬の山が自然の猛威を見せつけている。天候の急変、雪崩、体力の消耗-。冬山登山をめぐる危険は、四季を通じて入山者が絶えない神奈川の山岳エリアにも共通する課題だ。関係者は「天候最優先で計画を中止する勇気が必要」と、警鐘を鳴らす。 「経験豊富なクライマーが、なぜ…」。西穂高岳で遭難した男女3人のうち、3日に救助された女性(60)を知る藤沢市山岳協会の東昭一会長(63)は、事故の一報を受けて声を詰まらせた。 グループは、同協会に所属する藤沢山岳会のメンバー。女性は登山歴40年ほどのベテランで、かつて国体(山岳競技)にも出場した愛好家という。雪山や沢登りなど幅広い経験を持ちながら、今回は自力で下山することができなかった。 また、長野県の大天井岳(おてんしょう