ロスジェネ世代の精神科医・熊代亨氏の新刊『「若作りうつ」社会』より【第1回】年の取り方を間違えるとメンタルが危ない―「若作りうつ」社会がやってきた! 生物としての加齢・社会的加齢がわかりにくくなった あなたは、うまく年を取れていると感じていますか? 若作りのための化粧品やサプリメントが溢れる日本社会。テレビCMや電車の中吊りには「四十代女子」「生涯現役」といった広告が並び、そうした風景は私達にはお馴染みのものです。昭和の頃、還暦を過ぎた人は老人とみなされていましたが、二十一世紀の六十代は若々しく、そうした姿からは老人という言葉はあまり連想されません。 若作りしたい人・若さを引き延ばしたい人にとって、選択肢の多い時代になったと言えるでしょう。 ところが、延長に延長を重ねた思春期を終えようと思い立った時、あるいは祖父母のような還暦を迎えようと思った時、これまでのライフスタイルを変更し、年長者然