JR北海道の留萌本線の廃止が議論されている理由とは。地元自治体でも反対の声が少ない一方、部分存続を模索する自治体もある。 「いくらなんでも、時刻表がスカスカ過ぎる」 と、筆者は思わずつぶやいていた。1日の列車の本数は上下それぞれ7本。9時4分発の次は12時18分。その次は16時17分――。それが、北海道北部に位置する留萌本線・留萌駅で見た光景だった。 留萌本線は、北海道深川市の深川駅と留萌市の留萌駅を結ぶJR北海道の鉄道路線だ。「本線」の文字が付く名称からは、かつてのにぎわいを感じる。しかし現在は衰退。大きな駅舎は列車の本数と不釣り合いだ。 駅内は薄暗く、コインロッカーすらない。唯一、立ち食いそば屋だけが輝いている。券売機はなく、代金は現金手渡し。名物は600円のにしんそばで、ここだけは人の姿がある。筆者はようやくやってきた深川行きの列車に乗ったが、乗客は10人もいなかった。 それゆえ路線