(筆坂 秀世:元参議院議員、政治評論家) 来年(2020年)の東京五輪でのマラソンと競歩がIOCの独断で札幌市に変更されることが決まった。 私はもともと東京でのオリンピック・パラリンピックには反対だった。この考えは今も変わりはない。東京には、あまりにも何もかもが集中し過ぎている。働く場所も、人口も、交通量もすべてが東京に集まっている。飽和状態と言っても良い。観光客も多数が東京に押しかけている。日本の他の都市でオリンピック・パラリンピックを開催することは結構だが、東京で行う必要などない。 だが、たとえそうであったとしても、今回のIOCの一方的な開催場所の変更には“ふざけるな”と言いたい。小池百合子東京都知事があくまでも東京での実施を求めたのは、当然のことだ。東京都はこれまで暑さ対策として多額の経費と時間、エネルギーをかけ、さまざまな対策を講じてきた。「地元の人の気持ちをないがしろにできない」