一年前の十二月十六日、政府が突然、東京電力福島第一原発の「事故収束」を宣言した。被ばく線量が高い作業が今後増えるにもかかわらず、宣言を境に危険手当の打ち切りや給料カットが相次ぎ、作業員の待遇が悪化。最近では作業員が集まらなくなっている。廃炉への道は遠く、民主党から政権を奪い返した自民、公明両党には厳しい現実とどう向き合うのかが問われている。 (片山夏子) 給料は手取りで月額二十万円に届くかどうか。危険手当はなし。寮もなし-。 福島県いわき市のハローワークで福島第一の求人を調べると、こんな実情が浮かび上がった。コンクリートを流し込む枠を作る型枠大工など技術や経験のある人は月四十万円以上と高いが、他の職種は多かれ少なかれ被ばくするのに給料が安い。大半が年収三百万円にとても満たない。 二十件ほどの求人情報を見ていくと、危険手当の記載は一件だけで一日わずか二千円。ほとんどのケースで宿泊費は自分で負