名古屋市が陽子線がん治療施設を整備する際、建設を一時凍結したために増加したとされる費用4億8600万円を、施工した日立製作所が請求している問題で、市と日立が進めている裁判外紛争解決手続き(ADR)が今月下旬にも打ち切られる見通しであることが分かった。その場合、日立が費用の支払いを求めて民事訴訟に踏み切る可能性がある。 関係者によると、ADRの協議で請求額が半分以下に減額されたが、河村たかし市長が態度を保留しているという。 陽子線治療施設は、松原武久前市長が整備を決定。総事業費245億円で、日立が2008年に施工を請け負った。しかし、河村市長が09年に当選後、高額な治療費の妥当性や、採算見通しを疑問視。専門家による公開討論などを開くために3カ月半凍結した経緯がある。 日立は凍結に伴う人件費や器材保管料などを増加費用として請求。市は当初の契約額内で対処するよう求めたが、決着しないまま、施