【ローマ=末続哲也】300人以上が死亡した2009年4月のイタリア中部ラクイラの震災で、ラクイラ地裁の予審判事は25日、イタリア政府防災委員会に所属する地震研究者ら専門家7人を過失致死罪で起訴した。 前兆とみられる微震が相次いだのに、住民への適切な情報提供を怠ったとしている。初公判は9月の予定。 自然災害を予測できなかったことが罪に問われる異例の裁判となる。 イタリア国内メディアの報道によると、地元では同年1月半ばから震災までに約200回の微震が観測され、大地震の前兆との見方が広がっていた。しかし、自然災害の危険性に関する判断を任されていた専門家7人は、震災1週間前に「大地震が起きる可能性は低い」との見解を表明。住民には避難せずに自宅にとどまるよう呼びかけ、これが死傷者の増大につながったとされる。 震災では住宅などが多数倒壊し、負傷者数も約1600人に上った。住民の間では、当局の対応への批