古典だけは、主観的な評価は当てになりません。面白くないのも魅力の一部と考えておきましょう。〔…〕 古典を読むコツはずばり、「面白くなるまで積んでおく」ことです。 〔…〕メルヴィルの『白鯨』の前半は、これ以上ないくらい退屈で、少し読んでは途中でやめる、を何度も繰り返しましたが、結局買ってから二年くらいがたち、あるとき上下巻のほとんどを熱中して三日くらいで読みました。〔…〕 すぐには読めなくても、読みたくなったときに備えて、常にアクセスできるようにしておくことが重要です。 睡眠導入用に枕元においておくとか、本棚にしまわず、リビングの机の端にでも置いておいて、読みたくなる瞬間に備えておきましょう。 いつか波がきてすーっと読め、何年分ものカタルシスがやってきます。 これはなかなか卓見である。 奥野氏は古典と言っているが、じつは古典に限らず、サプリメント化していないコンテンツはすべて、〈主観的な評価