地震発生時、看護助手の伊藤梓さんが働いていた病室。患者の手足をお湯で洗ってあげていたという=22日、宮城県南三陸町志津川、越田省吾撮影 宮城県南三陸町で唯一の病院、公立志津川病院は、入院患者の半数以上を高齢者が占めるごく普通の地方病院だった。患者の命を救おうとして3人の看護師と看護助手が波にのまれた。 志津川湾に沿って走る国道45号に面した町営病院。東棟(4階)と西棟(5階)の2棟建てで、廊下でつながっていた。津波が起きた11日は109人が入院し、その半数が自分で歩くのが難しい65歳以上の患者だった。 ■水、5階のぎりぎりまで 午後2時46分。ガガガと横揺れが起きた。 東棟4階の405号室。勤務してまだ5日目の看護助手伊藤梓さん(24)が、先輩の看護助手、菅原若子さん(52)に付いて男性患者の手足をお湯で洗っていた。 洗面器の湯がばしゃばしゃとこぼれた。伊藤さんは冷静だった。「大